Calendar
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< August 2005 >>
LatestEntry
Category
Archives
Web拍手

↑クリックすると↑
web拍手が送れます
妄想 2005/08/17
どうでもいい話。

という見出しで、以前、ぼくの家の近くにあるキリムの店のハナシをしたことがあったのを覚えておられるだろうか。
「完全閉店セール」と銘打ってセールをしながら一向に店じまいする気配がなく、いったいいつ閉店するのかと思っていたら、すぐ近くのクリーニング屋がいきなり閉店したというアレである。
あのあとも変わらず営業を続けていたその店が、ふたたび「店じまいセール」を始めた――という話は前回した。
きょうはその続報である。

あれからふた月、くだんの店は「店じまいセール」のステッカーをべたべたとくっつけたまま、相変わらず元気に営業している。
セールも何も、この店の店内に店員以外の人影があったのをぼくは一度として見たことはないのだが、ひょっとすると、店内の在庫を売り切るまでは店をたたまないという店主の意地でもあるのだろうか?
それはともかく、「いつ閉まるのかな?」と気を取られていた間にクリーニング屋が閉店してしまい、お気に入りのシャツを失ったという苦い過去を持つぼくは、今度のセールにもイヤなフェイントが仕込まれているのではないかと疑心暗鬼になり、このところ、近所のお店をマメにチェックしていた。
ぼく的に、なくなって一番困るのは、例の店と同じ通りにあるケーキ屋さんだ。
ここは、世界コンクールで金賞を取ったこともある有名なパティシエ氏がやっているお店だ。雑誌やテレビの取材が頻々と来ているところを見ると、やはりかなりの有名店なのだろう。ぼくもたびたび食べているが、ここのケーキは本当においしい。
確か『ハチミツとクローバー』の#35、野宮と山田が観覧車を見にいくエピソードに登場するケーキも、この店のケーキ(パヴェ・ブルトン・オー・キャラメル?)がモデルになっていたはずだ。
これだけ繁盛しているケーキ屋が、いくらなんでもいきなり閉店するなんてことはありえないのだが、あのキリム屋には、さほどさびれていたわけではないクリーニング屋を閉店に追い込んだ(?)実績がある。有名店だからといって油断はできない。
そう思って虎視眈々とケーキ屋のショーウィンドウを眺める毎日を送っていたら――。

やられた!
ケーキ屋は無事だったが別の店がマジで閉店した!
それも、ケーキ屋以上に閉店するはずのない店――女子大のすぐ隣の、いつも女子大生たちでにぎわっていたコンビニが閉店したのだ!
おおお……! やはりあのキリムの店には、アラビヤ渡りの恐ろしい呪いか何かがかかっているのではなかろうか? 本当なら潰れるはずの自分の店を潰さずに、代わりによその繁盛店を閉店に追い込むような強烈な呪詛か何かが、あの店にはあるのかもしれない。そう考えたら、あの「店じまいセール」というステッカーが、何やら毒々しい呪力を秘めたいわくつきの呪符のように思えてきた。

「ちょっとちょっと、うれうれ」
「む? 何かね、少女リムリム?」
「あのコンビニ、ただ潰れたわけじゃないみたいよ?」
「それはどういうことかね?」
「店内改装のための一時的な店じまいだって。来年の2月には新装開店するらしいよ?」
「そ、そうだったのか……ぼくはまた、てっきりアラビヤン呪術によって閉店に追い込まれたのかと――」
「でも、当のキリム屋はまだ閉店してないね、結局」
「ああ、してないね」
「わたし、前に7月いっぱいで閉店しますって貼り紙を見た覚えがあるんだけど」
「ぼくも同じものを見た覚えがあるがね」
「不思議ね」
「不思議だね」

もし本当に閉店したら、その時はまたここで報告することにしよう。