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妄想 2005/10/31
激しい戦いだった……。

夕食を食べながら、ネムネムがぼそりともらした。
「は?」
思わず聞き返すぼく。
「だからね、中国に旅行に行ったら、人民解放軍と謎の軍隊の激しい戦闘に巻き込まれたのよ。たぶん、小泉首相といっしょのバスだったから」
「…………」
ネムネムが狂った
そう即決しかけたぼくに――おそらくぼくが投げかける視線の痛ましさを感じたのだろう――ネムネムが慌ててつけ足した。
「いや、夢の話なんだけど」
聞かされるほうとしては、正直どうでもいいハナシなのだが、この女はいつも夢の中で何かと戦っているイメージがある。この前も夢の中で何かと戦いながら寝言をいっていたし。
「ホントに怖い夢だったのよ」
あとになってそんなことをいうくらいなら、さっさと起きてきてたまには夕食ぐらい作れ! となじりつつ、あらかたひとりで夕食の用意をしてしまうぼくは本当に人がいい。

それとはまったく関係のない話題に飛んでしまって申し訳ないが、きのう、ネイティブに「オゥ、シィット!」な光景を目撃した。
天気がよかったので、散歩がてらにてくてくと徒歩にて吉祥寺に出かけ、ドラッグストアで風邪薬などを買い求めたあと、ぼくがケンタッキーで冷たいジンジャーエールを飲みつつ小説のネタを考えていると、空いていた隣の椅子に、背の高い女の人がごとりと荷物を置いた。
あまりじろじろ見ては失礼なので、メモパッドにペンを走らせつつ、ちら見で隣を窺ってみると、なかなか綺麗でスタイルのいい外人さんだった。どこの国の人かは判らないが、少なくとも英語圏の人だというのは確かだ。
で、そのミス・キャサリン(勝手に命名)は、荷物を置いて自分が座る席をまず確保したあと、お財布だけを持ってカウンターに向かい、ほどなくしてチキンとポテトをトレイに載せて戻ってきた。
よく判らないが、鼻歌混じりにひとり言をいっている(もちろん英語)。ずいぶんとご機嫌なようだ。

だが、悲劇はその直後に起こった。
トレイをテーブルに置いたキャサリン(仮名)は、椅子の上に置いてあった自分のリュックを掴んで向かい側の椅子のほうに移動させようとした。だが、リュックのベルトがテーブルの角に引っかかってしまったらしく、リュックを持ち上げると同時にテーブルが大きく傾いてしまった。
傾斜のついたテーブルの上を気持ちよくすべり落ちていくトレイ。

ずざー。ぼと。

まだひと口も手をつけていないチキンとポテトが床の上に落ちた瞬間、それを目撃した周囲の客たちが凍りついた。
そして、一番の当事者であるキャサリンは、

オゥノゥ、シット……!

額に手を当ててかぶりを振り、それからおもむろに肩をすくめつつ、大きな溜息とともにそういった。
す、すごい……英語国民てホントにこういうジェスチャーしながらこういうセリフをいうんだ! ドラマや映画の中だけじゃないんだ!
キャサリン(仮名)には気の毒だが、そういうことをいまさらながらに確認できて、ちょっと有意義に感じたひとときに乾杯。

ちなみにその後のキャサリン(仮名)は、床に散らばったポテトとチキンを店内のダストボックスに手早くブッ込んだあと、リュックを背負って足早にケンタッキーを出ていった。
きっと彼女も恥ずかしかったんだろう。