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『Mi:2』日記19 2005/11/07
前回の話はこちら。以下、続き。

2005年3月。
本来の『Mi:2』の仕事で次にぼくが取りかかったのは、ムービー部分のシナリオ案のブラッシュアップだった。
ゲーム中のデモと各キャラのエンディングは、プレイヤーが選択しているモデルをそのまま使ってリアルタイムに演技させるものだが、オープニングとスタッフロールには、プリレンダリングのハイクオリティなムービーを流すことになっている。先日のゲームショウで公開された映像の、テリーvsリョウ、リアンvsナガセのアクションシーンは、オープニングムービーのごく一部だ。
このムービーは専門のスタジオに発注するということなので、ぼくはとりあえず、前作のムービーに足りなかったアクション要素を増やした、新キャラを中心に見せるオープニングムービー用のシナリオを2種類用意して提出した。なぜ2種類かといえば、最初に書いたほうのシナリオが、4分という尺に収まらないかもしれないといわれて、急遽短く詰めたのだ。
『KOF MAXIMUM IMPACT』のオープニングムービーが約2分だったから、単純にその倍の長さのドラマを見せられると思っていたのだが、文字で表現する時間と絵で表現する時間との間には、こっちが考えている以上のラグがあるらしい。

そして3月もなかばのこと、SNKのH部長と広報のKさんが、ムービー製作を依頼するスタジオに打ち合わせに行くというので、ぼくも同席することになった。そこは、世界的にも注目を浴びた某ジャパニメーションや、某有名アクションゲームのムービーなどで数々の実績を持つ、ポリゴンピクチュアズ(以下PPI)というスタジオだった。
場所はコリアンタウン新大久保。打ち合わせの席で、H部長がぶっちゃけたことをいっていたのが面白かった。この手のムービーを製作するのにいくらかかるのか、何となく判ったような気がする。

その一方では、ゲーム中のデモのモーション撮りなどが着実に進んでいた。
3月末には新キャラの声優さんもほぼかたまり、ぼくもボイスチェックなどさせてもらった。狙ったわけではなかったが、結果的に、女性キャラの新録が多くなりそうだ。
さらに、必殺技のボイス収録に備えて、ぼくもセリフとかを考えさせてもらった。そのまま採用されるものはごくごく一部になるだろうが、このキャラにはこのセリフをいわせたい、こう叫ばせたいというのは、対戦前のデモを考えるのとはちょっと違う、これもファンならではの楽しみなのかもしれない。

その後、4月に入ると、TGSで一部公開された、あのアニメ版こふの打ち合わせがあった。
『'94 RE-BOUT』のOPアニメの前例があったために(さらにさかのぼるならDC版のOPもそうだが)、いったいどこがアニメの製作を担当するのか、まさか悪夢ふたたびなんてことになるのではあるまいかと戦々恐々としていたぼくだったが、聞けば打ち合わせは国分寺だという。国分寺にはいくつかのアニメスタジオが集中しているが、驚いたことに、あのProductionI.G.、しかも『攻殻』の9スタがやってくれるというではないか。
あそこなら、作画的には文句のつけようがない。こふという作品の世界観、各キャラクターの人物像を正確に掴んでもらえれば、間違いなくいいアニメになるはずだ。
ぼくがベースになるプロットを書き、それをもとにIG.の脚本家さんがシナリオを書き、さらにそれをぼくが直す――という作業をへた上でH部長といっしょにスタジオにお邪魔し、けっこう熱の入った打ち合わせをした覚えがある。

さらにその1週間後には、ムービーを依頼したPPIでの2度目の打ち合わせが入った。行ってみると、ぼくが書いたシナリオをもとにコンテが切られ、すでにコンテ撮によるビデオコンテにまでなっていた。
しかも今回は、わざわざ大阪からFALCOON氏が駆けつけてくれて、ムービー中におけるキャラのアクションや細かい動きなど、ビジュアル部分でのかなり突っ込んだ話し合いがおこなわれた。
ぼくはといえば、4分という尺は、長いようで実はけっこう短いということをあらためて実感したわけだが、逆にいうと、この先このムービーに関しては、ぼくが口を出すべき点はもうあまり残っていないと思う。
餅は餅屋ということで、あとはもう、カッコいい絵にカッコいい曲がついて仕上がるのを待つだけだ。
たぶん、完成は年末近くになるだろうが。

つづく。