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妄想 2006/04/04
桜とラフレシア。

「ここの桜はまだ散り始めたばっかりじゃん。もう少し見てられるね」
女子大の敷地内に咲く桜を見上げてそんなことをいうリムリム。
このところ、リムリムは春休みを満喫している。彼女の学校が始まるのはあさってからなのだ。
実は先週、突発的にまた高熱が出たとひと騒動起こしたリムリムだが、しばらく家でおとなしくしていたせいか、きのうきょうあたりはわりと落ち着いている。
で、家でおとなしくしていて退屈だったからか、ふと、
「そうだ! うれうれ、DS貸して! 『ぶつ森』やりたーい!」
などといい出し、これまた突発的に、荒れ放題だった自分の村の手入れを始めてしまった。
「……ちっ」
「あれ? うれうれ、舌打ちしなかった、今?」
「別に」

『ぶつ森』では、村の環境をサイコー状態にまで引き上げると、村のあちこちに清楚な白いスズランの花が咲き始める。GC版では高嶺の花という名前で、ひとつの村に2、3本しか咲かないとても貴重な花だったのとくらべると、DS版のスズランの花はあちこちにぽんぽん咲いてくれるので、今ひとつありがたみには欠けるのだが、村がサイコー状態にあるというバロメーターになる花には違いない。
しかし、逆に村の環境が最悪の状態になると、巨大な悪魔の花、ラフレシアが咲いてしまう。
この花が咲くと、その悪臭に惹かれてハエが集まり、逆に村人たちは村から出ていこうと高確率で引越しの準備を始める。これは村の過疎化を一気に推し進める恐怖の花なのだ。
だが、ひとたび咲いたラフレシアは、ほかの花や雑草のようにBボタンでさっくり引き抜くことはできない。ラフレシアを排除するには、村の環境をラフレシアの生育に向かない状態にまで向上させるしかないわけで、つまりは、そう簡単にどうにかできるものではないのである。
当然のことながら、ぼくの村はつねにサイコー状態なので、ラフレシアが咲く余地はない。ネムネムの村も同様だ。
そんなラフレシアの花を、リムリムならいつか咲かせてくれるのではないかと信じて、ネムネムとふたりで生温かい目で見守っていたというのに! それをこの小娘は、もうひと押しというところまで来て、そんなたまたま思い出したようなノリで環境改善になど乗り出しやがって……!

人知れず歯噛みしているぼくをよそに、ぷちぷちと村の雑草を引っこ抜いていたリムリムが、充電を催促する赤ランプが点灯したのをきっかけに『ぶつ森』をやめたので、ぼくは彼女を連れて吉祥寺に買い物にでかけた。
上述の、桜を見上げてのリムリムのセリフは、女子大の前で吉祥寺行きのバスを待つ間に彼女が口にしたものだ。

ところが、しばらく花を見上げていたリムリム、今度は唐突にこんなことをいい出した。
「なんだかチャーハン食べたくなってきたんだけど。……あ、ラーメンも食べたくなってきた」
花より団子か! 色気のない小娘め!
――などと思わないでもなかったが、小娘の身勝手な要求を聞いているうちに、ぼくもだんだんそんな気分になってきたので、結局、買い物のついでにふたりでラーメン屋に行った。
選んだメニューは、ふたり揃ってチャーハン+半ラーメンのチャーハンセット。
それを差し向かいで食べるぼくたち。

「あー、なんだか今度は豚の角煮が食べたくなっちゃった」
半分かた食べてからそういうこというなぁ!