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妄想 2006/07/20
デビュー前。

1992年某日。
ぼくはバイト先の友人知人たちとともに溝の口のゲーセンにいた。
店内には異様な数の若者たちが詰めかけていた。
そして、その大半が、対戦台の周りに集まっていた。

『餓狼伝説SPECIAL』――。
彼らはそのゲームに群がっていた。ぼくももちろんその中のひとりだ。
折しもカプコンからは『スーパーストリートファイター供戮リリースされていた頃で、もちろんそちらの対戦がさかんなのはいうまでもなかったが、すでにNEO-GEOユーザーであったぼくは、『スパ供戮函悒ロスペ』の対戦台がともに黒山の人だかりを作っているのを見て、「ついにSNKの時代が来た!」と確信したものである。

そもそもぼくは、昇龍拳コマンドが入力できずに『スト供抃呂砲覆犬瓩此◆慍醢毅押戮卜れていった人間だ。格ゲーブーム黎明期にぼくがSNK信者になった最大の理由は、NEO-GEOの購入とアンチ昇龍拳コマンドにあったといってもいい(もっとも、『餓狼2』のジョーでライン飛ばしキャンセルスクリューアッパーの練習をしているうちに、普通に昇龍拳も出せるようになったが)。
だから、『餓狼』が『スト供戮妨を並べたというのは、ぼくにとっては非常に喜ばしい現象だった。

それにしてもすごいギャラリーだ。しかも全員が対戦待ち。本当にきょう中に対戦できるのかと心配になるほどの人だかりである。
「俺ちょっとスパってきます」
連れにそう断って、ぼくは対戦台のそばに近づいた。
ぼくの周りだけだったのかもしれないが、当時は「スパる」という言葉があった。「スパイする」という意味で、具体的には、対戦中のプレイヤーの手もとを観察して、どういうテクニックを使っているかを文字通りスパイしてくる行為のことをいう。特に『餓狼2』以降『KOF'94』のあたりまで、スパるという行為は、超必殺技のコマンドを盗むという意味を持っていた。
あの当時は今ほどネットというものが発達していなかったため、隠しコマンドなどが発見されても、それが全国に広がるスピードはさほど早くなかった。だから、超必コマンドを知りたければ、すでにそれを知っている人間から教わるか(教えてくれないことも多いが)、こうして手もとを観察してスパるくらいしか手段がなかったのである。

「むっ!」
ぼくは最初からタン先生を使うことを心に決めていた。『2』ではベアを使っていたし、『ガロスペ』でもベアを使い続けるつもりでいたが、ひとりくらいは新キャラをいじってみようと思い、特にタン先生を選んだのである。
そのタン先生が、相手を画面端に追い詰めて旋風剛拳を繰り出した。
このあんちゃん、今どんなふうにレバーを動かした!? 確かボタンはBC同時押しだったようだが――レバーの最後は真上だったような……。

……などと、『餓狼伝説バトルアーカイブズ1』の発売に合わせて10年以上も前の記憶をほじくり出してあれこれ書いているが、実際のところ、ぼくの手もとにこのソフトはない。

だから、どうして発売当日の夜に発送するんだ、Amazon!