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妄想 2012/10/09
確か主演のリウ・チャーフィーはウォン・フェイフォンの曾孫弟子(豆知識)。

『少林寺三十六房』を観ながらお仕事。
まあ何といったらいいか、いかにも「少林寺ブームに乗っかってとりあえず作りました」といわんばかりの、ストーリー的にスカスカな映画なのだが、日本での公開順がどうだったかはともかく、実は『少林寺』よりもずっと古い映画である。

舞台は清の時代の広東(?)。主人公のユーダは乾物問屋のボンボンで、たぶんあまり頭はよくない。要は世間知らずな若者なのだが、通っている学校の先生が、実は滅清復明の隠れ闘士だった。この滅清復明というのは中国時代劇ではたびたび描かれる定番テーマのひとつで、「満州民族の清帝国による支配を打破して漢民族の明帝国を復興させよう」という抵抗運動のことである。
まあ、現実の中国史を見てみれば、清を倒したのは明の遺臣ではなく孫文の辛亥革命なわけだが、とにかく清の時代を舞台にした時代劇の場合、かなりの高確率で、主人公に倒される悪役は清に仕える高官、もしくは大陸に進出してきた欧米人である。
で、この映画の場合は清帝国の初期ということもあり、パターンとしては前者に当たる。ユーダくんの先生は、実は各地のレジスタンスと密に連絡を取り合う大物で、台湾を拠点とする鄭成功とも通じているっぽい。
ある日、路上で公開処刑されたレジスタンスの死にざまに、先生が生徒たちに憂国の志を熱く語ってしまったところ、ユーダと仲間たちはあっさりそれに感化され、「先生、ぼくにもお手伝いさせてください!」てな具合。その上ユーダの実家は乾物問屋、つまりはあちこちから海産物を買いつけるのが商売であり、それをレジスタンスとのやり取りに利用してしまった。そのため、ことが露見したとたん、店は打ち壊され家族は殺され、ついでに学校にも捕り手がやってきて、恩師も学友もあらかた投獄→処刑。
やむをえずユーダはもうひとりの友人といっしょに逃亡を図るのだが、その途中で見つかり、友人は殺されてしまう。ただひとり生き残ったユーダは少林寺に落ち延び、そこで目にした拳法で、家族や恩師たちの仇を討とうと決意するのである。

――とまあ、これは本当に単なる導入部。この映画のメイン部分は、ユーダが寺の修行僧となり、全部で35ある修行房をひとつずつクリアしていく過程なのである。
たとえば『少林寺』なら、数百人が入り乱れる隋兵vs少林僧のラストの大乱戦がキモなのだが、明らかに『三十六房』では、ラストの戦いはユーダの修行の成果を確認する行為にすぎない。何しろ滅清復明の志に燃えていたはずのユーダは、3人ばかりの若者と組んで家族の仇を倒したらもう満足してしまって、別に清への抵抗運動を続けるなんてこともなく、少林寺に帰って一般人にも広く拳法を教えるための36番目の修行房を新設しておしまいなのである。

といいつつ、機会があれば観てしまうのは、モンク養成所たる三十六房のすごさゆえだろう。要するにこれは、三十六房すげえ、という観点で観るべき映画なのである。

あと、今あらためて観ると、この頃のリウ・チャーフィーはココリコ遠藤に似てる。