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妄想 2014/03/17
黒歴史:落日の書店街

というわけで、滅多にこちらからかけることのないSF文庫編集部に、震える手で電話をかけるぼく。

「もしもし……」
『はい、何でしょう?』
「実は……これこれこういうわけで、ぼくは今、スニーカーと仕事をしています」
『……本当ですか?』
「『ザ・スニ』ご覧になってませんか? ぼくの名前が予告に載ってるんですが……」
『……今初めて知りました』


知らなかったのかよ!
というかこの担当さんは、おそらくラノベの編集業務が意に染まない仕事だったのだとは思うが、ラノベに対しても、それを書く作家(すなわちぼく)に対しても、あまり関心がない人だった。もしバリバリにやる気のある担当さんであれば、当然ライバルレーベルである角川の『ザ・スニ』にも目を通していただろうし、それ以前に、95年の夏の段階で、ぼくがZ文庫で書いていることにも気づいていただろう。まがりなりにも新レーベルの創刊ラインナップだったんだから。
ことほど左様にぼくに対して関心の薄い担当さんでも、さすがに自分のところの受賞作家が、スニーカー文庫というメジャーレーベルで無断で仕事をするのはまずいと思ったらしい。
結局、ぼくはその日の夜(長い電話でのやり取りが終わったあと)、神保町に呼び出された。

夜の古書店街はひどくさびしい。あのあたりの古書店は、当然のことながら深夜営業をしないわけで、夜も9時をすぎると軒並みシャッターを閉めてしまい、あの界隈全体が一気に暗くなるのである。
そんな古書店街に呼び出されたぼくは、SF文庫の担当さんと1対1で対面した。本当ならU氏を交えてなるべくギスギスしないように話を進める場をセッティングするはずだったが、急に呼び出されたのだから仕方がない。一応U氏には、「これから行ってきます」と一報して、ぼくは集英社のお膝元へ乗り込んだのだった。

こうなったらすべてぶちまけるしかない。