Calendar
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   
<< April 2014 >>
LatestEntry
Category
Archives
Web拍手

↑クリックすると↑
web拍手が送れます
妄想 2014/04/02
黒歴史:また会う日まで

正直、デビュー作以降のSF文庫での6作品より、これからスニーカーで書く『チキチキ』のほうが、はるかに売れるだろうという気はしていた。担当さんの熱意がそもそも違う。
そういうことをつらつらと述べて、スニーカーの仕事をやめるつもりはないとあらためて断言した。

「……そういうことであれば、これまでのように仕事をお願いすることはできなくなるかもしれませんよ?」

というのが、担当さんの最後の言葉だった。そしてそのあと実際に、SF文庫からの連絡は途絶える。ぼくも自分から連絡はしなかった。

この時のトラブルに先駆けて、スニーカーのU氏からは初対面の時点で、ぼくがスニーカーでがんばってくれるなら、最大限のフォローはしていくつもりだが、だからといって、ぼくの人生を丸がかえはできない、ということもいわれていた。このまま集英社とやっていくにしろ、スニーカーとやっていくにしろ、本人の自己責任だと。
これは、無責任なわけではなく、当たり前のことだと思う。今も各社の新人賞受賞作家には、おそらく担当編集から、かるがるしく今の仕事を辞めてはいけないとか、できることなら就職しろとか、まずそういう助言があることと思う。それは、作家が売れずに困窮したとしても、最終的に編集部がその面倒を見ることはできないし、見るすじあいでもないからである。
だから、ぼくが集英社と手を切ってスニーカーと仕事をするようになったのも、自己判断、自己責任ということになる。もし万が一『チキチキ』がSF文庫時代の本より売れなかったとしても、ここまでしてもらった以上、それはもう、完全にぼくの責任だと思っていた。

……まあ、今ならもうちょっとうまく立ち回って、集英社とケンカなんかしなかっただろうが。