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妄想 2015/10/20
ハードルの話。

このところ集中して新作を何本か書いていたために、特にそのへんを考えることが多かったのだが、登場するキャラクターの、精神的なハードルをどのへんに設定するかという話。
この場合のハードルというのは、判りやすくいうなら人の死をどう捉えるか、もう少し踏み込むなら人を殺せるかどうか、ということであり、いささか下品な方向でいうなら――特に主人公たちが少年少女であれば――セックスに対してどうとらえているか、、ということも含まれる。
『戦争妖精』の時は、主人公がもともとふつうの高校生だったこともあり、殺人に対するハードルは異様に高かった。本編全9巻の中で、伊織くんは7巻のラストまで人を殺さずにきている(ちなみに初エッチはその直前くらい)。そのあと、伊織はずっとそのことを引きずり、結果として、常葉先輩と薬子先生の激突を招いてしまった。
一方、『黒鋼』のほうのディミタールは、第1巻の時点ですでにどちらのハードルも越えている。必要なら人を斬ることも辞さない覚悟を持った少年、という設定だし、しかも物語の舞台は現代日本よりはるかに死が身近に存在した中世的な価値観の世界である。そこで一種のスパイ、スペシャルエージェントのようなポジションではたらこうという少年が、人を殺す殺さないで深く悩むというのは、むしろ不自然だと思ったので、あえてハードルを越えた状態でスタートさせたわけだが、代わりにディミタールは、ヒロインのヴァレリアのほうにこのハードルを越えさせまいとして腐心する。同時にヴァレリアも、ディミタールに叔母殺しをさせまいとして、自分が代わりにハードルを越えようとまでする。
ことほど左様に、ぼくにとっては、これらのハードルの設定は主人公たちの行動原理に深くかかわる重要な問題なのである。

ひるがえって新作。
主人公とその仲間たちにとってのハードルをどのように設定するか。
いろいろと考えなければならない。