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妄想 2005/02/22
実は1年ほど前から、独身の女性ふたりと同棲している。
どういうふたりなのかということは、ここでは詳しく書けないが、フランス書院文庫的な表現でいえば、年上女年下女ということになろうか。

で、その年下女のリムリム(ヘンな仮名)が先日、夕食を食べていた時、不意に思い出したように、
「ねー、うれうれはさー、子供の頃、誰にチョコあげた?」
「はァ!?」
うれうれとはぼくのことだ。
リムリムと初めて会った時、すでにぼくは嬉野秋彦と名乗っていたので、「うれ」だの「うれ先生」だの呼ばれているうちに、「うれうれ」が定着した。
そして折しも当時はバレンタインの季節。
もぐもぐと紅矢ユキトばりに焼き鮭を咀嚼しつつ、ぼくは眉をひそめて聞き返した。
「それはアレか、ぼくがクラスの男の子にバレンタインのチョコをあげたことがあるか? とかいうようなことを尋ねているのか?」
「うん」
おおお、神よ……! このアタマの悪い子を赦したまえ! どうやらこの哀れな仔羊は、よりによってぼくが女に見えるらしい! 1年もいっしょに暮らしてきたというのに!
……などとぼくがまっつぁおな顔をして震えていると、
友チョコのことなんだけどさ」
「ともちょこ?」
恥ずかしながら、ぼくはその時まで、友チョコという言葉を知らなかった。
後日ニュースで知ったが、仲のいい友人に贈る友チョコなるものの市場は、最近エラい勢いで拡大しているらしい。
何たること! 世の婦女子がこんな風習に染まりきってしまったら、チョコをもらえる日本男児の絶対数が減るのは火を見るより明らか!
「ねー、うれうれ、どうしてコブシ握ってんの?」
「……いや、別に」
「で、どうなのよ、そこんとこ?」
「ぼくが子供の頃は友チョコなんてものはなかったからなぁ」
「ふうん」
「というか、義理だろうと友だろうと本命だろうと、チョコは女の子が贈るものだろう? 男が男に贈ってどうするのかね?」
「え? 友チョコあげようっていってる男の子もいるよ?」
ドッゲェェェ! 男が男にチョコを贈るだと!? そんなボブゲの中にしかありえない風習が現実に存在するのか!?
いや、あくまでそれはごく一部の男の子のハナシに違いない! だって、だったらそいつらは、フィリピンに行ったら男同士でキスするのか? しないだろ、いくらなんでも!
「ねー、うれうれ、どうして唇わななかせてんの?」
「……いや、別に。それよりきみは、きちんとゴハンを食べなさい」
「はーい」

この数日後、クラスで誰が一番チョコをもらっただのどうだの、リムリムからバレンタインの報告があったが、結局、彼女がぼくにチョコをくれることはなかった。

てめえええ!