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妄想 2011/04/07
長い。そしてどうでもいい。

『戦争妖精』アップ目前で、プライベートのほうのあれこれに時間を食うことになった。
でまあ、それに関連することで、この前の地震でいろいろと崩れ落ちてきたっきり放置してあったプリンタ周りをプチおかたづけしていたら、大量のCD-RWが出てきた。どれも表面に「MI2 yy/mm/dd」と書いてあるので、『MI2』開発中に送られてきたα版なのだろう。あと、イベントパートのボイスデータが全部入ったヤツとか。
でも、これってもしかすると、すべて返却しなければならないものなのではないだろうか。ディスクはともかく、チェック用に借りているデバステ2は、明らかに会社の備品のはずなのだが……。
まあ、いまさらプレステ2でゲーム開発なんてしないだろうし、とっくに減価償却もすんでるよなあ。

それにしても、SNKとのつき合いも本当に長くなったものである。
たぶん最初の接点は、作家デビューの直後くらいだったと思う。今は亡き新声社の『コミックゲーメスト』で、コミック版『餓狼SP』の原作ストーリーを読者から広く公募するという企画があり、ぼくもそれに応募したのである。
結果、ぼくは2作残った最終選考で落とされた。
のちにぼくはこの応募作が縁で新声社から呼ばれ、時代の徒花ゲーメストZ文庫の立ち上げにかかわることになるわけだが、その際、社員の人に聞いたところによると、どちらの候補作を残したらいいか迷った『コミゲ』編集部は、どのみちチェックを通さなければいけないからということで、最終的な判断をSNKに丸投げしたらしい。
あの当時は、「どうして俺のが選ばれないんだよ! 俺はこんなにファンなのに!」なんてことを感じないでもなかったが、冷静に考えてみたら、ふつうはアレは選ばないだろうな。
当時のぼくがいったいどんな原作を応募し、そしてSNKに蹴られたかは続きからどうぞ。歯止めの利かないSNKオタクの妄想話だから長いよ。本当に長い。興味のない人はクリックしてはいけない。
ちなみに、この時選ばれて実際にコミック版の原作を務めたのは、『HEROMAN』のコミックを描いている太田多門さんだそうだ。
富士山麓――。
不知火道場に近い谷川で対峙する、ひどく痩せた道着姿の男とアンディ。心配そうに不知火舞が見守っている。
長い睨み合いのあと、しかし勝負は一瞬で決した。
アンディが謎の格闘家に倒されたというニュースを聞き、タイから緊急帰国するジョーだったが、富士に向かおうとする彼の前に現れたのは、まさにその、くすんだ緋色の道着をまとった男であった。
人気のない埋立地で戦う男とジョーだったが、史上最強のムエタイチャンプもまた、男の使う空手の前に敗北を喫する。
倒れたジョーをその場に残し、男は革ジャンをはおり、何度も咳き込みながら、巨大なバイクにまたがっていずこかへと去っていくのだった――。


てな感じで始まって、この謎の男に各地の高名な格闘家たちが次々と倒されていく一方、サウスタウンにはギースが帰還。アンディやジョーのことを心配するテリーも、ビリーたちとの戦いに否応なく巻き込まれていくという展開。
でまあ、お察しの通り、この謎の男というのが30なかばのリョウなのだが、たぶんこのへんのあつかいが一番よろしくなかったのだと思う。なので後年、『KOF』などのノベライズでは、そのへんに異常なほどに気をつけるようにした。

要するに、ここでのリョウは、ユリを食わせるために若い頃から無理をしてきたのが祟って、不治の病にかかっている。死にかけてるから痩せてて咳ばかりしている。
そのくせ、革ジャンはおって下駄履きでバイクを乗り回すのはどうなんだといわれたら、返す言葉がないわけだが。
ともあれ、身体が弱ってきて、もうそろそろ自分は死ぬんだなあと考えたリョウは、自分の空手家人生をふと振り返ってみた。その時に思い出したのが、若い頃に1度だけ戦って、勝つには勝ったけどまったく勝った気がしない強敵ギースのこと。「死ぬ前にあいつともう1度戦いたい」と感じたリョウは、ユリやロバやんにないしょで姿をくらましてしまうのである。
そして、「そもそも今の俺はあいつと戦う資格があるのか?」ということで、アンディやジョーを試金石にするすごい病人。
結果、アンディは斬影拳を見切られてカウンター1発でKO。ジョーは手数を出すんだけど全部しのがれて(リョウはムエタイに詳しいからな!)敗北。ふたりとも病院送り。ゲーム中のリョウ並みに強い病人リョウは、自分の今の強さを確認し、満を持してバイクごと帰国する。

その頃テリーは、アンディたちのことが気になりながらも、ギースとの決着をつけることを優先。ところが、決戦前にジェフの墓参りをしていると、そこにリョウが到着。テリーはこれがアンディたちを倒した敵だとピンと来て戦闘態勢。
リョウはリョウで、放っておいたらテリーがギースを倒してしまうかもしれないので、ここで叩いておこうと勝負を挑み、ついに3タテ達成。
完全に伸びていたテリーが目を醒ますと、すでにとっぷりと日が暮れていて、なぜかあたりに血溜まりができている(リョウがガハァッ! ってやった跡)。
その後テリーは、舞やダックの協力を得て慌ててギースタワーに突入。ホパリパ&黒服どもを舞たちに任せ、ビリーを直接対決で下したテリーがタワーの最上階(ギースステージ)にたどり着くと、そこではすでにリョウがギースに倒されていた。
そして死んでいた。
このあと、テリーvsギースの最終決戦となるわけだが、ぼく的にはもはやこのへんはどうでもいい。
当時のぼくにとって重要だったのは、

好きとか嫌いとかとは関係なく、おそらくリョウには空手しかなくて、ユリが大人になってからは余計に空手だけに打ち込んできたんだけど、まだ若いのに身体を壊してしまい、いろいろと達観してキングとくっつくこともなく、空手に一生を捧げて強敵との戦いの末に早死にする以外の生涯はありえない。

という、ぼく自身が勝手に作り上げたリョウ像だったのである。
ラスト、リョウのお墓に年取ったロバやんとユリが花を供えている。それを遠くから眺めつつ、ふたたび旅に出るテリー――みたいな感じで終わったような気がする。何しろ応募した原稿は東芝Rupo(というワープロ専用機)で作ったものなので、たとえ当時のフロッピーが残っていたとしても、もはや確認のしようがない。ただ、うっすらと残っている記憶が正しければ、だいたいこんな調子の原作だった。

この原作の問題点
1.リョウを勝手に殺した。
……これはよくない。勝手にキャラ殺しちゃダメだね、やっぱり。今なら絶対にやらない。
2.ゲームに登場するキャラの大半をスルーした。これは、今ノベライズをやっても同じことを考えるかもしれない。顔見世程度で全キャラにちょこちょこ出番をあたえるくらいなら、そのぶんをもっと深く描くべきキャラに回すべきだと思う。
3.ロバやんとユリを結婚させた。
これも勝手にやってはいけない部分だな。のちに『EX2』で似たようなことやられそうになって激怒したぼくも、半公認カップルならいいんじゃね? などと軽く考えていた時期があったのだろう。

まあ、こうしていろいろと考えると、やはり素人臭さ丸出しの、穴だらけで完成度の低いお話である。
選ばれて恥をかくより、落ちたほうがやはりよかったのかもしれない。