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妄想 2011/10/02
むふー。

ちょっと前まで暑い暑いといっていたのに、最近は外に出ると、涼しい風に乗って金木犀の香りがただよってくる。
そんな秋の足音を聞きつつ仕事のかたわら時代劇専門チャンネルを流しっぱなしにしていたら、村上弘明主演の『源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶』というのを観る。20年ほど前にテレ朝が製作したスペシャルドラマで、原作は柴田錬三郎。半世紀も前に何度か映画化され、テレビでも里見浩太郎主演のものがあったらしいが、村上弘明を主役に据えたものはこれだけ。
つまり、これはこれ1本だけで完結する(はずの)物語なのだが、最初から最後まで観ていてどうにも納得のいかないところが多々あった。

以下、時代劇に興味のない人は回れ右。
ちなみにぼくはシバレンというと『御家人残九郎』しかまともに読んだことがなく、コレの原作も未読である。
ドラマは頼朝に追い詰められて自刃する義経のシーンから始まる(義経を演じているのは村上弘明)。開始3分で主人公死亡、というのではお話が進まないわけで、これは本当の主人公である源氏九郎の来歴を語るのに必要だから挿入されているシーンなのである。
のちにナレーターが、「その名前からも知れるように……」とかいってしまうくらいにそのまますぎるが、主人公の源氏九郎は、源九郎判官義経の子孫と噂されている剣の達人ということになっている。ちゃんと鞍馬山で剣の修行をしたとか、お坊さんに育てられたらしい描写があるので、おそらくこの坊さんが九郎さまにあることないことを吹き込んだのだろう。
はっきりと語られてはいないが、メインの物語の舞台は江戸時代である。

そんなこんなでドラマ本編。箱根の山中を三島に向かっている武芸者・左源太が、大門正明(役名忘れた。どうやら幕府のお庭番らしい)率いる刺客たちに襲撃される。大門正明は、左源太が持っている火焔剣なる宝剣を狙っているのである。
一対多数の卑怯な戦いの最中、片平なぎさ演じるところのくのいちのお蝶に短筒で狙撃された左源太は、大門正明によって倒されてしまう。
ところが、まさにとどめを刺されて火焔剣が奪われる! というところに飛んでくる小柄。なぜかすぐそこにあった山寺の朱塗りの門がぎぎぎ〜っと開き、中から深編笠の白い着流し姿の男が現れる。これこそが源氏九郎その人で、着流しも真っ白なら腰に差した大小の柄も鞘も白、出会うチンピラたちからは「この白狐が!」とかいわれる金持ちっぽい無職。
その九郎さまが「待ち伏せとか伏兵とか銃とか卑怯じゃん!」と口をさしはさんできたので、当然のように大門正明は「てめえ、邪魔すんならブッ殺すぞ!」と向かってくるのだが、九郎さま、いきなり両手で腰の大小を同時に引き抜き、「バツの字斬りィ!」とばかりに一閃。大門さんは顔面に無惨な傷跡を刻まれて退却を余儀なくされるのであった。
伏兵のあたりから見てたのなら、どうしてもっと早く助太刀しなかったんだよ! というツッコミをしたくなるが、ともあれ虫の息の左源太から、火焔剣を託されてしまう九郎さま。ごく一部でヒジョーに有名な火焔剣には偽物が多いらしく、左源太は、別の火焔剣を持つ武芸者とどっちが本物かはっきりさせるため、三嶋大社へ果し合いに行く途中だったのである。
なぜ三嶋大社かといえば、そこには火焔剣と対になる水煙剣という剣が奉納されているからである(で、本物の火焔剣もセットで奉納するらしい)。

さて、どうもあまり深くものを考えないらしい九郎さまは、「あい判った」などと安請け合いし、火焔剣をたずさえて三嶋大社へ。
境内で待ち受けていたみなさんの「おまえ誰だよ?」という問いに対し、かくかくしかじか、代わりに拙者が果し合いをお受けする、てな流れで、もうひとつの火焔剣を代々伝えてきたおうちの若侍(名前忘れた)と戦うことになる九郎さま。でもってこの若侍には許婚がいて、それが本作のメインヒロインと思われる斉藤慶子演じるおりゅう(お柳?)。
この九郎さま、冷静に考えると「義経の末裔を勝手に自称する胡散臭い素浪人」なのだが、誰もそこを指摘せず、属性としては「白衣の美剣士」で通っているからか、とにかく女にはモテる。
そして当然のごとく、斉藤慶子もじきに九郎さまに惚れることになる。

以下、つづく。