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妄想 2013/08/06
でも、たぶんテレビでやっていたらまた観ちゃうよ、ぼくは。

家で仕事をしながら、テキトーにケーブルで映画を流していると、『SKYLINE –征服-』がやっていたので何となく観てみた。確か『ロサンゼルス決戦』とほぼ同時期に作られた作品で、製作にかかわったスタッフだかの一部が重複していて、映像関係の技術の侵害だか何だかで訴訟をやってたような気がする。
でまあこの作品、『LA〜』と同じく、ある日突然ロサンゼルスに異星人がやってきて――という映画。『宇宙戦争』以来、アメリカ人が定期的に観たくなるジャンルなのか、正直どうなのよという気がしないでもないのだが、封切り当時、「かぶってるかぶってる!」と揶揄された『ロサンゼルス〜』とくらべると、何というか、やはり面白くない。

長くなる上にネタバレなので隠す。
『LA』は、おそらく映画評論家の人とかにいわせると、「相手が異星人になっただけの単なる戦争映画」という評価なのだが、個人的にはそこがよかった。なかなかその正体が見えてこないエイリアン相手に絶望的な戦いをしいられながらも、相対的な意味でのローテク兵器を駆使して勝利を手にする海兵隊――見るからにアメリカ人の大好物である。ひとつの戦いに勝利した彼らが、今度はアメリカ全土からエイリアンを駆逐するためあらたな戦いにおもむく、というところでエンディングとなるのもまとまりがいい。

一方『SL』のほうは、チャラチャラしたアーティスト(笑)の主人公がセレブな友人の誕生日を祝いにロサンゼルスに向かったところ、青い怪光線を放つ謎の飛行物体が襲撃してきて、人々がどんどん吸い上げられていく、という展開。この青い怪光線を見た人間は軽く洗脳され、無抵抗のままさらわれてしまう。そしてさらわれた人間は脳ミソだけを抜き取られ(本当にきゅるっと皮を剥くように生首から脳が抜き取られる)、生体ロボットの中枢部分に再利用されてしまうのである(としか思えない描写がある)。
さてこの主人公。侵略が始まった序盤で、あやうくさらわれそうになったところを友人たちに救われるのだが、その時に怪光線を長時間見ていながら、エイリアンに誘拐されるのをまぬがれた結果、「ヤツらのパワーがまだ身体の中に残っている気がする……!」というワケの判らない理屈で、控えめな超人と化してしまうのである。
で、この超人としての力を使ってエイリアンを撃退するのかというと、そんなことにはならない。そもそもエイリアンは、反重力で飛行する触手うじゃうじゃの小型機やゴリラを思わせる大型ロボットなど、少しばかり腕力が強くなったからといって太刀打ちできるような相手ではないのである。
その後、一同がホテルからの脱出に失敗して絶望しているところへ、ようやくアメリカ軍の反攻が始まるのだが、これがまたヒドい。A-10っぽいのとかF-22っぽいのとかB-2っぽいのとか、ワケの判らん編成の戦闘機群が足並み揃えて飛んできて、エイリアンの母船から出てきた小型機とドッグファイトを繰り広げるのである。
次々に落とされていくアメリカ軍。そんな中、母船に肉薄したB-2が、目測数百メートルの距離からミサイルを撃ち込むことに成功する。着弾後の表現からすると、どうも小型の核でも搭載していたんじゃないかという気がするのだが、それ以前にB-2が板野サーカスばりに敵の攻撃をローリングでかわして真正面からミサイルを撃つ時点で何かおかしい。ふつうは高高度からの爆撃だろうに。
ま、どっちにしても人類の攻撃は通用しないわけだが。
最終的に、ホテルに籠城していた仲間たちはみんな死亡。主人公は自分の子を妊娠しているヒロインといっしょにエイリアンに捕らわれてしまう。ここでも軽く超人化した主人公が、素手でエイリアンを薙ぎ払うような展開にはならない。母船の中に連れ込まれたと思ったら、あっさり脳ミソを抜き取られてしまうのである。続けて今度はヒロインが脳ミソを抜かれそうになるが、どうやら妊娠している女性はあつかいが違うらしく、おなかのあたりを念入りにスキャンされたりしている。
肉体から抜き取られた人間の脳は青く輝いていて、ロボットに組み込まれるとエイリアンに従順な尖兵と化すのだが、なぜか主人公の脳は意味ありげに赤く輝いている。もしかして、主人公のチョイ超人化はここで意味を持つのか? と思ったら案の定、ロボットに部品として組み込まれた主人公は、そのまま自我を維持しているようで、おなかの胎児を摘出されそうになっているヒロインを助けるために暴れ始めるのである。
そうか! ここから主人公の反撃が始まるのか!
と思っていたら、またもやそんなことはまったくなく、自分を助けたグロテスクなロボットが自分の恋人だったとヒロインが気づいたところで、いきなりエンディングになってしまうのである。

……何というか、いろいろとありえない。エンディングで、主人公がヒロインとともにエイリアンの母船から脱出するような描写があるのだが、人類そのものがどうなったのかはいっさい描かれない。脱出に成功したのかどうかも判らない。
それ以前に、エイリアンが何を求めて地球にやってきたのかもよく判らない。一応ロボットのパーツとして人間の脳を集めているものの、地球侵略前からロボットはたくさんあったようなので、それだけが目的とも思えないのだが、脳集め以外のことをまったくやっていないので、本当に何がしたいのか判らないのである。
少なくとも、『LA』にはちゃんとしたオチがあった。戦闘シーンは面白かったし、人間ドラマもあったしな。でも、『SL』はオチもオチてないし、アクションとしてもパニックホラーとしても半端すぎる。これなら『バトルシップ』のほうがよっぽど面白い。

――っていうことをひとりぶつぶついいながら、ぼくは『蝋人形の館』を観始めた。