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妄想 2014/01/24
ううむ。

身体のふしぶしが痛い。単なる筋肉痛ではなく、風邪などに起因する筋肉痛という気がする。
しかし、ぼくがそれでブッ倒れる気配は当面はない。むしろリム坊のほうが怪しい。
何しろ食事もしない、好きなアイドルの動画も観ないでさっさと布団に入って寝てしまったくらいなのである。
これはぼくも用心したほうがいいかもしれない。
まあ、用心したからといって、同じ屋根の下に住んでいる少女からの感染を防ぐのは至難の業だが。

それはそうと、年末年始に撮り溜めていた時代劇をそろそろ消化しなければならない。
ということで、まずは北大路版『剣客商売』の第2弾、「剣の誓約」。ところどころにちょいちょいオリジナル要素を放り込みつつも、ストーリー自体は原作の「剣の誓約」に「妖怪・小雨坊」をミックスした感じ。剣を持つ人間の宿命的な生きざまを描くエピソードということで、この「剣の誓約」という一篇は、加藤版でも藤田版でも映像化されているのだが、今回は「剣の誓約」の後日譚「小雨坊」のあつかい方が、これまでとは少し違っていた。

以下、ネタバレを気にしない人だけどうぞ。
そもそも「剣の誓約」というのは、主人公・大治郎の師匠に当たる嶋岡礼蔵が、おそらくこれが最後の仕合と覚悟を決めて、長く因縁の続く柿本源七郎との果し合いに臨み、大治郎に見届け役を頼むところから始まる。
しかし、同じくこれが最後の仕合と考えていた源七郎はすでに病みおとろえており、とても果し合いができる状態ではない。そこで源七郎の弟子である伊藤三弥は、果し合いの前日に人を雇い、みずからは弓を射かけて、大治郎の道場にいた礼蔵を不意討ちし、殺害してしまう(この時、三弥は激怒した大治郎によって右腕を切り落とされ、命からがら逃亡)。
そして果し合いの日、大治郎と小兵衛は、礼蔵の亡骸を車に積んで源七郎のもとを尋ねる。果し合いの約定を破ってだまし討ちにするとはどういうことか、という秋山親子に対し、源七郎は、不意討ちは自分のあずかり知らぬこと、おそらく弟子の三弥が勝手にしたことだろうが、だからといってそれを止められなかった自分にも責任があるといい、その場で割腹してしまう。
――と、ここまでが「剣の誓約」。右腕を失った三弥の行方は判らぬままで終わるのである。
そして大治郎たちがこの時のことを忘れた頃、小兵衛の若妻おはるの前に不気味な面相の小男が現れて――というのが「妖怪・小雨坊」。この妖怪じみた風体の気味の悪い男が、実は逐電した三弥の血を分けた兄であり、三弥の右腕と師匠の仇を討つために(完全な逆恨みなのだが)、秋山親子をつけ狙っているのである。
今回のドラマでは、物語の半分ちょいを「剣の誓約」、終盤部分を「妖怪・小雨坊」をもとに作られているが、小雨坊は三弥の兄ではなく、逃亡中に三弥が出会うただの無宿人(?)となっていて、今ひとつ物語に深みがない。片腕を失った浪人である三弥に命を懸けてまで助力を申し出るだけの動機が、今回の小雨坊にはないのである(「俺を人間として認めてくれたからよう」みたいな漠然とした動機で手伝っている)。
原作では、伊藤三弥と小雨坊はそれなりに格式のある武家の出であるため、そのへんの背景を語ろうとすると長くなる。おそらく尺の関係で、このあたりの設定をばっさり省略したのだろうが、個人的にはやや不満が残った。
「剣の誓約」〜「妖怪・小雨坊」のくだりでいえば、やはり藤田版での、三弥=本宮泰風、小雨坊=遠藤憲一という取り合わせでの映像化がよかった。実は三弥というのは、師匠である源七郎とは衆道的な師弟関係にあり、だからこそ逆恨みであるにもかかわらず、師を自決に追い込んだ秋山親子に対して執拗に復讐しようとするのだが、そうした若武者役に本宮泰風がよく似合っていたのである。