<< 妄想 2014/06/11 | main | 妄想 2014/06/13 >>
 
Calendar
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< March 2016 >>
Category
Archives
Web拍手

↑クリックすると↑
web拍手が送れます
妄想 2014/06/12
サメ映画週間。

ケーブルテレビというのは定期的にアニマルパニック映画特集をしないと死んでしまうのか、今年もわけの判らんサメ映画特集をやっている。おかげで『ダブルヘッドシャーク』や『シャークトパス』あたりのメジャー(?)タイトルは飽きるほど観ているわけだが、ゆうべやっていた『レッドウォーター サメ地獄』という作品は、これまで一度も観たことがなかった。
物語の舞台はどっかの川。何やらケイジャンな感じがする広い川なので、たぶんメキシコに近い南部のほうだと思うのだが、細かいことはどうでもいい。問題なのは、冒頭、いいところのお嬢さんぽいギャルが川で泳いでいるところを、いきなりサメにぱくっとやられて死んでしまう点である。
なぜ川にサメがいるのか、特に説明はない(のちに、淡水でも生息できるサメがまぎれ込んだと説明されるが)。何かもう淡々と地味にギャルが殺され、それに続いて孫と釣りに出ていたじじいが餌食になる。サブタイトルにサメ地獄、などとついているからには、「42種類のサメが登場!」などとあおったわりにはまったくピンとこなかった『シャーク・ナイト』のように、この川に大量のサメが生息していると考えそうなものだが、実際にはまったくそんなことはない。この映画で主人公たちを恐怖のどん底に突き落とすサメは、実はこの1匹だけなのである。
何が地獄だ! これならたぶんそのへんにうじゃうじゃいるワニのほうがよほど脅威だろうが!

ということで、ここから先は興味のある人だけどうぞ。
そんな事件が起こって少しずつ騒がしくなり始めた河畔の小さな町。ギャルの父親はこのへんの有力者らしく、サメに賞金を懸けたために、一獲千金をもくろむにわかハンターたちがやってきている。
そんな町の船着き場で貸しボート屋をいとなむ主人公(ようやく登場)。ヒスパニック系に中途半端にドニー・イェンを混ぜたようなこの男、もとは腕のいい石油採掘技師だったのだが、かつて採掘現場での事故によって同僚を失い、それを自分の責任だと感じて技師を辞めたという過去を持っている。だが、貸しボート屋はあまり繁盛せず、銀行からの借金が返せなくなり商売をたたもうか、などと考えていたところに、事故を機に別れてしまった昔の妻が、もう一度技師として自分たちのプロジェクトに協力してほしいと申し出てくる。
この別れた妻というのが今作のヒロインなのだが、残念ながらおっぱい要員ではない。そもそも冒頭で食われたギャルとこのバツ1ヒロインを除けば、この映画には水着美女なんてまったく出てこないのである。
実にけしからん!
元妻は自然環境を守りつつ、この川の流域であらたな油田を捜すプロジェクトにたずさわっている。いまだに事故のことを引きずっている主人公は、いったんは依頼を断るのだが、貸しボート屋を手伝っているくせに泳げないというメキシコ人(?)の助手に説得され、元妻を手伝うことになる(ギャラもでかいしな)。
ところが、試掘をおこなっている現場近くの川底には、ギャングの金を積んだクルマが沈んでいた(警察に追われてとりあえず沈めたとかいう話だった気がする)。そのクルマを捜して金を回収すために、ギャングたちもまた、身分を隠して主人公たちと同じ流域へと――。

とまあ、ここまでつらつらと観てきて思った。これはいわゆるサメ映画ではない。サメが主人公たちを追いつめる驚異のひとつにはなっているが、あくまで「そういうこともありえる自然現象のひとつ」であって、首がふたつあるとか陸上も泳ぐとか、そんな不条理さはまったくない。そもそも終盤まで主人公たちの直接の敵となるのは、サメではなくギャングなのである。
別れた夫婦同士の絆とか、ギャング同士の裏切り合いとか、特に素晴らしいというわけではないが、きちんとていねいに描かれていて、サメ映画=バカ映画としてはデキがよすぎる。ふつうにいい映画。

唯一、これがサメ映画としてほかのバカ作品よりバカっぽい点があるとすれば、サメを退治する最後の切り札がドリルだったということぐらいか。ドリル最強