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妄想 2008/01/20
食べそこねた。

「たぶんさ、白身魚かエビのフライ、さもなきゃチキン南蛮だったと思うんだ。タルタルソースがかかってたから」
「へえ」
「それをさ、食べたと思ったんだよ」
「いつ?」
「いつじゃなくて、だからさっき」
「さっき? だってうれうれ、ずっとここで寝てたじゃない」
「そう、そうなんだよ! そういうおいしそうなお弁当食べたと思ってたら、それが夢だったんだよ!」
夢の中で食べそこなった弁当のことを、さも悔しげに語るぼく。ネムネムの反応は冷ややかだ。
「そんなの夢だってすぐに判りそうなものじゃない?」
「そうかな?」
「だって、周りにわたしたちがいるのにうれうれだけがお弁当を食べるシチュエーションなんて、どう考えてもおかしいじゃないの」
いわれてみれば確かにそうである。
ぼくが作ったものをぼくが食べずにネムネムだけが食べるということなら――彼女が夜遅くに仕事から帰ってきた時などに――ままあるが、ネムネムとリムリムが見ている前で、ぼくだけが食事を、それも外で買ってきたお弁当を食べるなどということはまずありえない。
そう思ったら、急に腹が減ってきた。
「くそー……チキン南蛮弁当食べそこねた〜……」
恨みがましい呟きとともに、ぼふりとクッションに顔を突っ込んで倒れるぼく。


「――はっ!?」
ふと目を醒ますと、隣でネムネムが仕事のメールをかちゃかちゃ打っている。キーを叩きながら、ネムネムは目醒めたばかりのぼくに尋ねた。
「ねえ、お弁当がどうかしたの?」
「え? 弁当って――?」
「だって、さっきうれうれ、一瞬目を開けて、白身がどうのお弁当がどうのって、ジェスチャーつきで何かうったえてたわよ? お弁当が食べたいわけ?」
「えっ? いや、だからそれはさっきもいったけど、何かのお弁当を食べた夢を――」
「さっき? だってうれうれ、あなたずっとここで寝てたじゃない」
「え?」

どうやらぼくは、「ネムネム相手に『夢の中でお弁当を食べそこねたんだよう!』と主張して悔しがった」夢を見て、それを寝ぼけながら現実のネムネムにほぼリアルタイムで中継していたらしい。
ややこしいな(要するに、上のほうの青字の部分はぼくが見た夢である)。
夢に夢を見る、というのはしばしば聞く話だが、自分がそういう夢を見たのは初めてだった。

だが、それがチキン南蛮食いてえとか食いそこねたとか、そんな食欲丸出しの夢でいいのか、今年の自分。