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妄想 2008/02/12
まったくもー、みんな製菓会社に踊らされすぎだぞっ!

「うれうれー、はい、チョコレート」
すでに今月のこづかいを使い果たしているはずのリムリムが、なぜか買ったばかりのチョコレートをぼくのところに持ってきた。少し早めのバレンタインだという。
「あやまれ!」
「ひい!?」
「お菓子屋さんにあやまれ!」
「な、ななな――!?」
「いったいどこの店からかっぱらってきた!? うれ先生はきみをそんな盗賊少女に育てた覚えはありませんよーっ!
「ちがっ――ちゃんと買ってきたのよ! 人聞きの悪いこといわないでってば!」
「嘘をつくんじゃあない! 今の貴様は現金などもっておらぬはずだ!」
「持ってるわよ! ほら、48円!
リムリム……そんな、貧乏学生の叫びみたいなことを堂々と……。
だがしかし、ついこの前まで彼女がほぼ文無しだったのは事実だ。それがなにゆえ急にチョコなど買える身分となったのか? まさかバレンタインのためにわざわざ貯金を下ろしてきたとも思えないし――。
「実はネムネムからお金借りたのよ」
何ィ!? 結局そんなオチか! まったくこの勇者少女ときたら……!
「ちっ……」
「あ! 何よその舌打ちは?」
「いやいや、ネムネムさんからのチヨコレイト、ありがたくいただいておきますよ」
「ネムネムじゃなくてわたしからのでしょ!」
「自分じゃ一銭も出してねえ小娘がでけえ口叩くな」
ふふんと鼻先で笑ってリムリムを突き放すぼく。ところが、そのまま怒り出すかと思われたリムリムは、なぜか怒気をすぐに納めてこそこそとぼくにすり寄り、
「……ところでネムネムには内緒なんだけどさ」
「は? 今度は何かね?」
「お金貸してくんない?」
「何に使うのかね?」
「クラスの男子にあげるチョコレート」
「はあ!?」
いきなり何をいい出したのか、この少女は?
「いや、だからさ、この前わたし、ふたりから告られちゃったじゃん? で、つき合うかどうかは置いといて、何ていうか、礼儀としてチョコくらいあげたほうがいいかなーって思ったわけ。でも、これ以上ネムネムからお金借りれないしさあ」
「つまりナニか、きみはいつも世話になっているぼくにはネムネムから借りた金でやっすいチョコレートを買い、さらにそのぼくから金を借りてクラスの男子にお義理でチョコをやろうというのか? 別にその男子とつき合う気もないくせに?」
「いやー、つき合う気がないというか……んー、今はまだカレシとかいなくてもぜんぜん構わないし、それよりはみんなとバカ話してるほうが楽しいからさー」
「黙れ、このたわけ者!」
「ひいい!?」

次回へ続く。