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妄想 2008/03/08
横浜生まれの目黒育ちといったっけか。

リムリムは異様に蕎麦が好きである。
もちろん、「この○○産の蕎麦にはもう少し鰹の風味を抑えたつゆがよく合う」などとうんちくをひけらかすタイプではない。江戸っ子ではあるが、むしろいい蕎麦とそうでない蕎麦の区別などまったくつかないタイプであろう。
ただ、異様に食う。
吉祥寺駅の公園口から出てすぐのところに、「ほさか」という蕎麦屋がある。細切、太切、更級、柚子切、胡麻切などの数種類のそばを、三色盛、五色盛などにして食べさせてくれるお店で、昔からたびたび利用しているお店なのだが、いかんせん、リムリムをここに連れてくるとすごいことになる。
決して安くはない蕎麦を、ばぐばぐと大量に食べるからである。

で、この週末。
駅からかなり離れたところにある、「中清」という蕎麦屋に行ってみた。
三代前から続いているという店内に流れるBGMはなぜかジャズで、壁には麿赤児の芝居のポスターがどーんと貼られている。ハモニカ横丁あたりの飲み屋や喫茶店ではさして珍しくもない光景だが、駅前からはずれた住宅街にほど近い蕎麦屋でコレは、なかなかにインパクトが大きい。
案の定、それを見て呆気に取られていたリムリムは、しかし、すぐに食い気に支配されてロクにお品書きに目も通さず、
「ざる2枚!」

これである。
立ち食い蕎麦の店でもあるまいに、まずは一品料理などを頼んでちびちびやりつつ(といっても未成年のリムリムでは無理だが)、最後の締めに蕎麦というのがこういう店の定法ではないのか。
それをリムリムは、大雑把にざる、それも2枚ときた。
そもそもこの店は、ざるひとつにしても蕎麦粉の産地や打ち方(10割か二八か)、さらにはつゆもバリエーション豊富な中から選べるこだわりの蕎麦屋である。なぜそんな店のBGMと内装がジャズ&麿赤児なのかはともかく、そういう蕎麦好きにはたまらないはずの店に来ているというのに、それをいきなり「ざる2枚! 1枚じゃ足りないし!」である。
「まあまあ、まずは1枚だけにしておいて、ほかのものも食べたまえよ」
と、運ばれてくる料理を勧めてみると、これもまたよく食う。
そういうものをばくばくと食べ、その上でざるを1枚あっさりとたいらげたリムリムは、小さな声でぼそりと、
「……これならあと2枚はいけるかな……」

バカじゃないのか、この子は?
結局リムリムは、あれこれ食べたあとにもう1枚、最初のとは別の産地の蕎麦をざるで食べ、帰りに家の近くのコンビニでパンケーキの間にアイスがはさんであるやつを買い、帰宅後『エンタの神様』を観ながらもぐもぐやりつつまたほざいきやがった。
「……やっぱりもう1枚くらい食べてくればよかったな……」

やっぱりバカじゃないのか、この子は!?