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妄想 2008/05/18
波乱万丈寿司戦争。

「あー、巻き寿司が食べたいなー」
リムリムはつねに唐突だ。きょうもいきなりピザトーストを食べながらそんなことをいい出す。
「ねー、うれうれ作ってよー、巻き寿司巻き寿司〜」
「そんなことをいわれても、できることとできないことがあるだろう。ぼくに築地かどこかのお店で海苔巻きを作る修行でもしてこいというのかね、きみは?」
この家の食生活をひとりでささえているぼくだが、握り寿司は当然、巻き寿司などというものを作ったことは一度もない。たまーに、ネムネムのリクエストで海鮮丼を作ることがある程度だ。
しかしこの少女は、いつも包丁を握っている人間になら、当然のように寿司を作るスキルが備わっているとでも考えているらしい。
「大丈夫大丈夫、うれうれならできるよ」
「自分の行動についてもきみは根拠のない自信を見せるが、だからといってぼくの行動にまで根拠ナシに太鼓判を押すことはなかろう」
「だってほら、うれうれの着ぐるみの中にはおばあちゃんが入ってるし」
「……それはどういう意味かね?」
「いや、高野豆腐とか切り昆布や切り干し大根の煮物とか筑前煮とか、作るものが田舎のおばあちゃんみたいじゃん」
「…………」
それはネムネムが和食を食べたがる人間だからだし、そもそも切り干し大根はほかならぬリムリムが麺類のようにすするほど好きだからだ。
それをいうならきみたちの味覚が田舎のおばあちゃんなんだよ。