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妄想 2005/10/31
激しい戦いだった……。

夕食を食べながら、ネムネムがぼそりともらした。
「は?」
思わず聞き返すぼく。
「だからね、中国に旅行に行ったら、人民解放軍と謎の軍隊の激しい戦闘に巻き込まれたのよ。たぶん、小泉首相といっしょのバスだったから」
「…………」
ネムネムが狂った
そう即決しかけたぼくに――おそらくぼくが投げかける視線の痛ましさを感じたのだろう――ネムネムが慌ててつけ足した。
「いや、夢の話なんだけど」
聞かされるほうとしては、正直どうでもいいハナシなのだが、この女はいつも夢の中で何かと戦っているイメージがある。この前も夢の中で何かと戦いながら寝言をいっていたし。
「ホントに怖い夢だったのよ」
あとになってそんなことをいうくらいなら、さっさと起きてきてたまには夕食ぐらい作れ! となじりつつ、あらかたひとりで夕食の用意をしてしまうぼくは本当に人がいい。

それとはまったく関係のない話題に飛んでしまって申し訳ないが、きのう、ネイティブに「オゥ、シィット!」な光景を目撃した。
天気がよかったので、散歩がてらにてくてくと徒歩にて吉祥寺に出かけ、ドラッグストアで風邪薬などを買い求めたあと、ぼくがケンタッキーで冷たいジンジャーエールを飲みつつ小説のネタを考えていると、空いていた隣の椅子に、背の高い女の人がごとりと荷物を置いた。
あまりじろじろ見ては失礼なので、メモパッドにペンを走らせつつ、ちら見で隣を窺ってみると、なかなか綺麗でスタイルのいい外人さんだった。どこの国の人かは判らないが、少なくとも英語圏の人だというのは確かだ。
で、そのミス・キャサリン(勝手に命名)は、荷物を置いて自分が座る席をまず確保したあと、お財布だけを持ってカウンターに向かい、ほどなくしてチキンとポテトをトレイに載せて戻ってきた。
よく判らないが、鼻歌混じりにひとり言をいっている(もちろん英語)。ずいぶんとご機嫌なようだ。

だが、悲劇はその直後に起こった。
トレイをテーブルに置いたキャサリン(仮名)は、椅子の上に置いてあった自分のリュックを掴んで向かい側の椅子のほうに移動させようとした。だが、リュックのベルトがテーブルの角に引っかかってしまったらしく、リュックを持ち上げると同時にテーブルが大きく傾いてしまった。
傾斜のついたテーブルの上を気持ちよくすべり落ちていくトレイ。

ずざー。ぼと。

まだひと口も手をつけていないチキンとポテトが床の上に落ちた瞬間、それを目撃した周囲の客たちが凍りついた。
そして、一番の当事者であるキャサリンは、

オゥノゥ、シット……!

額に手を当ててかぶりを振り、それからおもむろに肩をすくめつつ、大きな溜息とともにそういった。
す、すごい……英語国民てホントにこういうジェスチャーしながらこういうセリフをいうんだ! ドラマや映画の中だけじゃないんだ!
キャサリン(仮名)には気の毒だが、そういうことをいまさらながらに確認できて、ちょっと有意義に感じたひとときに乾杯。

ちなみにその後のキャサリン(仮名)は、床に散らばったポテトとチキンを店内のダストボックスに手早くブッ込んだあと、リュックを背負って足早にケンタッキーを出ていった。
きっと彼女も恥ずかしかったんだろう。

『Mi:2』日記16 2005/10/29
く〜らたんはぁはぁ。

世の中にそのような奇声をあげる輩が多いとは聞くが(ぼくの場合はヴァネッサかな)、『Mi:2』はまさにそうかもしれない。
α版で全キャラのエンディングを確認しようと相変わらずの奮闘中。一部のキャラは、「ここをスキップしたらスタッフロールまで飛んでしまう」というところでかならずハングアップするために、現行のバージョンではエンディングが確認できない。β版くらいになるまでお預けということか。
そんな中、クーラもエンディングを確認するのに苦労したキャラのひとりだが、何度もプレイしたぶん、いろいろなカラーを試すことができた。現段階ではすべてのカラーが完成しているわけではないが、どれもいいカンジだ。がらりと見た目の変わる2ndモデルなんて、そりゃあもう、ぱ、ぱぱ、ぱん……つ……!

と、はぁはぁするのはここまで。
前回の話はこちら。以下、続き。

『KOF MAXIMUM IMPACT』の方向性についての話し合いをした上で、ぼくはF氏たちに、あらかじめ用意してきた大まかなストーリーを見てもらった。大阪行きが決まった時点で(まだ仕事を受けるかどうかもさだかではないのに)、ぼくは、『Mi』の後日談からスタートするストーリーを考えておいたのである。
といっても、『Mi:2』はRPGではなくあくまで格ゲーであって、対戦の合間のデモやエンディングでストーリーを見せることを前提としているから、あまり複雑なものではかえってまずかろう。本家こふも、確かに設定などは膨大に存在するが、肝心のストーリーはあくまでゲーム中だけで語るにとどめている。
そのあたりを踏まえてこちらで用意したストーリーを提示してみると、
「いいんじゃないですか」
H部長はうなずいた。
「『Mi:2』でのKOFはサウスタウンを飛び出して世界規模の大会になる予定だし、続編のことをきちんと考えていただけているのもいい」
「こんなのこふじゃねえよ」とかいわれたらどうしようかと内心びくついていたが、どうにか受け入れてもらえたようだ。主人公ふたりをはじめとした、すでに存在する『Mi』オリジナルキャラクターの設定も、うまく逆手に取ってストーリーに組み込めていけそうだし、旧キャラに関しては何とかなるだろう。
そのあと、追加される新キャラクターの話や、具体的にぼくがやらなければならない作業を確認して、その日は帰京した。

『Mi:2』の発売予定は2006年。
この時点では、可能なかぎり早い時期に、ということだけが決まっていた。1月か2月か、遅くても3月。4月以降ということはないだろうと、今でもぼくはそう思っている。
当時は2004年の10月だったから、最速で発売されるとしても、製作期間はあと1年以上はある。
これまでかかわってきたゲームの仕事と違って、今度はかなりの長期戦になりそうだ。

つづく。

妄想 2005/10/28
えいこくこいものがたり話。

所用あってネムネムと吉祥寺に出た。
少し時間帯が遅めだったが、ときどき行くお店でランチ。
ビクトリア朝風というのか、とにかくそこはそういう雰囲気のカフェで、ひとり暮らしの頃からぼくはここをたびたび利用している。
そこでもぐもぐとごはんを食べながら、ふと気になっていたことをネムネムに尋ねてみた。
「『エマ』って、1890年代のハナシだっけ?」
「うん」
「ハキム、普通に阿片吸ってるよね」
「うん」
「ドーバー海峡の向こうはフランスだよね」
「うん」

先日読んだコミックビームの最新号で、エマとウィリアムがヤケにあっさりと再会してしまったことが、ちょっと気になっていた。
エマがさらわれるまでのエピソードが半年くらいかけて展開されていたから、てっきりふたりの再会までそれなりの時間をかけて描くんだろうなと思っていたところ、ウィリアムとハキムがアメリカまで乗り込んできていきなり再会、みたいになってしまったので、呆気に取られたのだ。

たぶんこれは、ちょうどその直前に、ぼくが『風と木の詩』を読んでいた影響もあると思う。
あれは『エマ』の時代より少し前のフランスが舞台だったはずだ。
物語のラスト、魔性の美少年ジルベールは、阿片漬けにされた上に男娼をやらされて、最後には馬車にはねられて、でもとても美しいまま、あっさりと死んでしまう。

だからぼくには、オドネルきゅんの――ひいてはキャンベル子爵のやり口が、とても甘く思えて仕方がなかった。エレノアとウィリアムの結婚に本当に邪魔だと思うなら、子爵さまはエマを拉致してアメリカに追いやるとかじゃなく、もっと徹底した方法で排除すべきだったのではないか。それこそ吉原みたいなところに売り飛ばすとか(パリならピガール?)、いっそどこかに沈めちゃうとか。
やり手のリチャード・ジョーンズ氏が「行動力がある」と評するキャンベル子爵にしては、そのへんの詰めが甘く思えて、エマが拉致されたあたりから、ずっと気になっていたのだ。

「ファンは見たくないでしょ、そんなの」
食後の紅茶を飲みながら、ネムネムはいった。
確かにそうかもしれない。いわれてみればぼくもそうだ。エマとウィリアムにはこのまましあわせになってもらいたい。ずっと控えめなしあわせだけで満足してきたエマが、またさらにヒドい目に遭うような展開だったら、途中で読むのが苦痛になっていたに違いない。

あの時代、もし本当にエマとウィリアムのようなカップルがいて、それを引き裂こうとする子爵さまみたいな人がいたら、きっとその女性は悲惨な目に遭っていただろう。
でも、『エマ』にそれがないのは、もしかしたら、森薫嬢がそういうリアルさを求めていないからなのかもしれない。「普通はこうなるよね」的なリアルさよりも、少しできすぎなくらいのハッピーさのほうが、読んでいて気分がいいし、何よりあのやわらかい絵柄にはそのほうが合っていると思う。
だから、たぶん『エマ』は、エマとウィリアムにとっては、すこぶるハッピーな終わり方をするんだろう。

「あれ?」
「どうかしたのかね?」
「このCD持ってる。ルイ・アームストロングだ」
店内のBGMを聞いて、ネムネムがいまさらそんなことをいい出しやがった。
ってことはこのお店、ビクトリアンじゃなくてアーリーアメリカンなんじゃないの? えいこくこいものがたりじゃないじゃん!
「別にいいじゃない、そんなこと。それよりこのCD、iPodに入れといて」

またかよ!

『Mi:2』日記15 2005/10/27
こふXIが稼動開始。ぼくは忙しくてプレイしに行けないが。

引き続き喉が痛い。喉というか、口の中の上顎の奥のほうが痛む。
食べるものを食べてあたたかくして寝るようにしているが、もし鼻や内臓に来るとしたら週末か。戦々恐々しながらぽちぽちと原稿を書く。
その合間に『Mi:2』α版で遊んでいると、スタッフロールのムービーを見たネムネムが、ぼそりとひと言。
「ホモっぽい」
「は?」
「にこにこ楽しそうに並んで歩いてる時点ですでにホモっぽいのよ」
ちなみにα版のオープニング&スタッフロールムービーは、前作のものがそのまま入っている。本来つくはずのムービーはまだ完成していないのだ。ネムネムが見て問題発言をかましたのは、ファンにはお馴染みかもしれないが、前作のエンディング後に流れるムービーの、アルバとソワレがふたり並んでスラムを歩いていくシーンのことである。

「そもそも不必要にエッチすぎるのよ、アレが」
アレというのはアルバのボイスのことであろう。確かにぼくもそう思う。
「このゲームが『B'sLOG』の表紙になってないっておかしくない?」
それはいいすぎ。

まあそれはともかく。
前回の話はこちら。以下、続き。

「なら、そういうことでやらせてもらいますけど」
ここで初めてぼくはこの仕事を引き受けることを決めた。
ぼくがこふの仕事でヘタを打ってファンから叩かれるという可能性はあるが、たぶん、何もしなかったら、ストーリーがどうので『Mi:2』がまた叩かれるかもしれない。どちらかといえばそちらのほうが嫌だった。それに、一こふファンとしては、やはりオフィシャルの仕事にかかわれるというのは光栄なことだ。誰でもやれるという仕事じゃない。
だから、引き受けることにした。

それでも一応、独善におちいらないように、ぼくが作るもののチェックはまめにしてもらうことにした。その上で「コレはダメ」というものがあればはっきりそういってもらって、直すべきものは直し、切るところは切る。必要があれば話し合った上で修正する。とにかくこっちとあっちのやり取りを繰り返して作っていこうということになった。
本来なら、SNKにそんなことをする義務はない。いちいちそんなことをしていたら、二度手間三度手間になって時間ばかりかかってしまう。
現に、ぼくが以前この『Mi:2』日記で言及したことのある某こふの製作会社は、そういう手間を気持ちいいぐらいにすべて省略して、ぼくには何の断りもなく、事前どころか事後承諾さえなしに、ぼくのシナリオをいじった。
しかしSNKは、その部分でぼくの意志を最大限に尊重してくれるようだ。
某こふの時も、こういうふうに仕事ができていれば、あんなトラウマにはならずにすんだろうに。

つづく。

『Mi:2』日記14 2005/10/25
前回の話はこちら。以下、続き。

その頃すでにぼくと同居していたネムネムは、ぼくが『Mi:2』の仕事をするのをこころよく思ってはいなかった。
ネムネムは格ゲーをまったくたしなまない人間だが、こふは知っている。そんな彼女には、爆発的な人気のあった『'97』の頃ならいざ知らず、今のこふが仕事としてやる意味があるものとは思えなかったのだろう。前述した某こふの製作にかかわった時に、ぼくがいろいろとストレスをかかえ込んでいたこともそばで見てきている。
彼女はぼくのマネージャー的な存在でもあり、そういう立場からすれば、彼女のその反応も当然だった。
しかし、最終的にはネムネムもぼくの大阪行きをOKしてくれた。
蓬莱の豚まんを買ってくるから、という切り札が効いたのかもしれない。

2004年10月。
前回が『2001』のノベライズの時だったから、こふの仕事としては、実に3年ぶりの大阪ということになる。
この時のSNK本社での打ち合わせの席には、あらたにプロデューサー氏が加わった。
どこかで見たことがある人だなと思っていたら、イラストレーターのFALCOON氏だった。そういえば特典DVDのインタビューにも出ていたっけ。
前回の『KOF MAXIMUM IMPACT』に引き続いて『Mi:2』でもキャラクターデザインを担当するというハナシだが、今回はそれに加えてプロデューサーも兼ねることになったらしい。実際には、もっと多くの仕事を兼任するのだろう。本家こふのキャラ絵を描いたりソフトのパッケージを描いたり、本当にこの人は、目に見えるところだけでもかなりの量の仕事をしている。

そんなF氏を交えての初の打ち合わせでまず話し合ったのは、現在の『Mi』の『餓狼』っぽい世界観を『Mi:2』でどうするかということだった。詳細についてはまだ語れないが、個人的な意見としてぼくが思うところを述べてみた。
「いいんじゃないですか」
H部長が即答した。
「そこは嬉野さんにお任せする部分ですから、どうぞお好きなようにやってください」
「でも、ぼくひとりでストーリーを決めてしまうのはどうなんでしょう? 普通は企画の人たちがいろいろな案を出し合って、スタッフみんなで考えていくものなんじゃないんですか?」
ぼくは、ぼくがストーリーのすべてを担当することによって、それが独善的なものになってしまうのを警戒した。ぼくが「これがいい」と思うものを、こふファンのすべてがいいと思ってくれるわけではないということは、ぼくもノベライズへの反響で充分判っていた。ぼくのノベライズにはぼくの趣味みたいなものが入りすぎていて、それが嫌いだという人がいることも知っている。
特にそれは、裏設定の多くが発表されないままになってしまい、それをどうにか小説で補完しようとあれこれ詰め込みすぎた感のある「ネスツ編」で顕著だった。
しかしH部長は、それでもぼくにすべてを任せるといった。
現場の人間がストーリーを作ろうとすると、ゲーム部分の製作が最優先になりがちで、どうしてもストーリーはあと回しになってしまうという。極端なことをいうと、ゲームの完成が見えてきてから、ようやくストーリー部分に手がつけられるということもあるらしい。
実際には、キャラ的な部分はそれよりはるか前に完成しているのだろうが、何となくいいたいことは判った。
要するに、ストーリーだけに専念する人間が欲しいということだろう。そもそもこの話がぼくに回ってきたのは、10年分のこふシリーズのストーリーや設定を把握し、なおかつそういうことをできる人手が、開発スタッフの内部にいないからなのだ。

つづく。

妄想 2005/10/24
「サンボマスターって、日本版OASISってカンジじゃない?」

とはネムネムの言。その心は?
「OASISって、イギリスではずっと田舎者ってバカにされてたのよね」
あっ……謝れ! サンボマスターのみなさんに謝れっ!
サンボと聞いて真っ先に思い浮かぶのがサンボ浅子というこのぼくでも、それはあまりな発言だと思う。

一方、
「ユリ使ってよ、ユリ」
とはリムリムの言。
ウチに“新しいかちゃかちゃ”が届いて以来、ぼくがプレイしているのを見るたびに、リムリムはそんなことをいう。こちらはあくまで仕事としてプレイしているので、「はいはい、じゃあ次はユリね」というわけにはいかないのだが、この小娘にはそのへんが判っていないのだ。
そのリムリム、どうやら最近は、ユリに加えてクーラがお気に入りのようなのだが、たま〜にぼくがユリやクーラでプレイしていると、そういう時にかぎって画面を見ていない。リクエストに応えてやっているのにどういうことだと思ってよくよく彼女の行動を観察していると、なにやらせっせと描いている。
なんとこの少女は、ノートにユリだのクーラだののイラストを描いているではないか! しかも超似てない!
クーラはまだロングヘアと青白い髪のおかげでなんとなく判らないでもないが、そのユリはアレンジしすぎだ! ユリはポニーテールでもツインテールでもない! そんなリギングモデルも存在しない!
一瞬、このすさまじいデキのイラストをこっそりこのページにアップしてやろうかとも思ったのだが、あとでバレた時にぼくが刺し殺されかねないのでやめにする。ただでさえ最近のリムリムはこのページの存在に気づき始めているのだ、迂闊なことはできまい。
しかしそれにしても、親友が健康的に(?)ハガレンにはまっている裏で、どうしてこの子はユリとかクーラなのか……。

他方、
「あ、喉が痛い」
とはぼくの言。
今朝起きてみたら喉が痛い。あきらかに風邪の初期症状だ。
以前ここのブログにも書いた通り、少しくらい喉が痛くても、最近のぼくは熱を出すまでにはいたらず、つまりは風邪で寝込んだりすることはないのだが、今回はちょっと勝手が違う。なんだか身体がだるくて眠くて起き上がれない。
結局、リムリムを学校に送り出したあと、お昼すぎまで寝てしまった。
傍目にはただのぐうたらに見えてしまう部分がなんともアレである。

以上、ウチの近況。

『Mi:2』日記13 2005/10/23
ぐるぐるバックブリーカー(新技)ではあまりバグは起こらない。

『Mi:2』α版を引き続きプレイ中。クラーク中尉はCPUが使うとあんなに意地悪で強いのに、なぜ自分で使うとこうも弱いのか?
原因ははっきりしている。もともとぼくがクラークに慣れていないことに加えて、コマンド投げを封印して闘っているからだ。
開発途中のバージョンなので仕方がないのだが、今ぼくの手元にある『Mi:2』は、強力なコマンド投げを(プレイヤー側が)使用すると、高確率で不具合が発生する。SABで相手を叩きつけると同時に画面が黒く塗り潰されるとか、デンジャラスアーチは途中で相手が投げから抜けてマキシマがひとりでブリッジしてしまうとか、ラスボスに壁際でミニョンの「痛いの痛いの〜」を仕掛けると自分だけ反対側の壁際にワープしてしまうとか。
とりあえずエンディングを見るために穏便なプレイを心がけたいぼくとしては、ハングアップを誘発しかねない技は極力封印してプレイしなければならない。投げキャラで勝ち抜くのが特に難しいのはそのためだ。
そのくせCPUのクラークは、こっちの起き上がりにガトリングアタック・セカンドフェイク→MAX版UABを平気で決めてくる。投げを食らわないように暴れてみても、さばき→「今だ! うおぁ〜!」。正直いって現段階でのCPU難易度は、ラスボスよりクラークのほうが断然上だと思う。

という現在進行形の話題はここまで。
前回の話はこちら。以下、続き。

いざストーリーを、と考え始めて、ぼくはいきなり大きな壁にブチ当たった。
大きな壁というのは、『Mi:2』のストーリー上の方向性の問題である。
ゲームショウの時に、「コレの続編のストーリー作りは難しそうだ」と感じた理由もここにある。

『KOF MAXIMUM IMPACT』は、ぶちゃけていってしまえば、こふとはいいがたかった。
単にゲームシステムがこふ特有のチームバトルではないから、という理由ではない。その点は多くのユーザーが指摘していたし、ぼくもチームバトルがあってこそのこふと思うが、そういうシステム面については、ストーリー担当のぼくが関知する部分ではない。
それよりもぼくが感じたのは、これはこふらしい世界観ではないなということだった。もう一歩押し進めていうなら、むしろこれは『餓狼』シリーズの世界観に近い

『Mi』の舞台となっているサウスタウンは、『餓狼』シリーズや『龍虎』シリーズの主要な舞台となってきた街である。
そんな因縁のある街を舞台に、恩人の仇討ちやギャング同士の抗争がどうのというストーリー&キャラクターを持ってくれば、おのずと『餓狼』や『龍虎』の雰囲気がただよってしまう。
実際、ノイズファクトリーのMさんたちは、『Mi』では、これまでのこふにはない生身の人間のドラマを見せたかったといっていた。そして、ストーリー部分の説明不足はあったが、サウスタウンのスラムをメインとした世界観を3Dで描くことには充分成功している。
ただ、これがこふらしいかといわれると、素直にうなずくことはできない。
こふといえば、「オロチ編」では伝奇テイスト、「ネスツ編」ではSFテイストという違いこそあれ、けれん味の利いた壮大なストーリーが特徴だ。その観点から見ても、やはり『Mi』にはこふテイストが薄い。
京や庵といったこふならではのキャラが多数登場するから、まだこふに見えないこともないが、たとえば、テリーがメインになっている海外版『Mi MANIAX』のパッケージを見たファンは、ロゴさえなければ『Mi』がこふだとはすぐには判らないだろう(日本ではあれだけ人気のある京や庵がセス並みのあつかいというか、それ以前に、本来の主人公であるメイラ兄弟などすでに影も形もないわけだが)。

どこ?


これは、こふと『餓狼』、どちらの世界観がすぐれているかという話ではない。10年にわたって築き上げられてきた、こふというタイトルにふさわしい世界観は果たしてどっちなのかという問題だ。

続編のストーリーをどうすべきか。
前作の路線を維持していくか、方向転換するか。
それを決めかねたまま、10月、ぼくは大阪へ向かった。
プロデューサー氏との顔合わせや、もっと突っ込んだ打ち合わせ、ギャラなどの条件面の話をするために、どうしてもSNK本社へ行かなければならなかったのだ。

つづく。

『Mi:2』日記12 2005/10/21
『龍虎』&『餓狼』、続編製作(脳内で)開始。まあ、個人的に考えるだけならタダである。

きのうは抹茶ユサ&デカユサと打ち合わせ。
といっても、実は『Mi:2』に関するぼくの作業は、もうほとんど終わっている。来月の公式サイトオープンに合わせて何かあるかな、という程度で、特にこれといった仕事はない。今回の打ち合わせは、ぶっちゃけてしまえば、『Mi:2』後の展開についてのものだ。
すでにゲームショウの前後にリリースされているように、SNKは次世代機への参入を表明している。今のところ明らかになっているタイトルは、Xbox360用『Mi:2』とPS3用『KOF MAXIMUM IMPACT 3』だ。
要するに、『Mi:2』はまだ発売も完成もしていないが、すでに続編のプロジェクトは動き始めているのである。

という現状報告はここまで。
前回の話はこちら。以下、続き。

キャラクター周りをかためたあと、ぼくは『KOF MAXIMUM IMPACT』のストーリーを補完することにした。
場合によっては、『Mi:2』発売に合わせて、『Mi』のストーリーがふたたびクローズアップされることがあるかもしれない。というより、いずれ必要になってくるだろう。たとえそれでなくとも、ぼく自身が混乱しないように、いろいろとまとめておかなくてはならないことも多かった。『Mi:2』のストーリーを組み立てる前に、その基礎部分として、まずは『Mi』のストーリーをきっちり細かく組み立てなければならないのだ。

そこで、アルバとソワレがサウスタウンに来るまでの経緯やフェイト暗殺の真実、曖昧な部分の多いデュークとリアンの関係などについて、すでに存在してしまっている設定との齟齬が可能なかぎり出ないように整理しながら、不足分を補完してみた。
齟齬が出ないように、というのは、実は『Mi』は、公式サイトやゲーム内でのプロフィールなど、おおやけに発表された情報の中に、すでにいくつかの矛盾や不自然な部分が含まれているからである。
たとえば、あまり似てない双子のアルバとソワレは、それぞれイタリア風とフランス風の名前を持ち、姓はなぜかスペイン風、でも生粋のドイツ人ということになっている。このあたりで首をかしげた人も多いだろう。
また、フェイトを暗殺したのかしていないのかはっきりしないリアンと、その両親の仇でありながら雇い主ということにもなっているデュークの関係、そしてデュークが率いていたギャング団〈メフィストフェレス〉と、さらにその上に存在する巨大な秘密組織〈アデス〉について。
どうしても不自然な部分は、こちらで多少いじらせてもらった。それによって、そうした部分までをある程度は説明でき、場合によってはそのまま『Mi』の公式設定にできるような小文を完成させ、それもMさんたちに受け入れてもらうことができた。
これで『Mi:2』のストーリーを組み上げていく上での土台はしっかりしたものになった。

つづく。

『Mi:2』日記EX 2005/10/19
デカユサからメールが届いた。

「嬉野さん、ボクはいつになったら『Mi:2』日記に登場できるんです?」
「いや、アレはまだ、ぼくがこの仕事を請けるまでの経緯を説明しているところですから……大阪行きのエピソードになれば――」
「でも、抹茶ユサはもう登場してるじゃないですか。この前の電話のハナシで」
「そういえばそうですね」
「ボクも早く登場させてくださいよ」
「判りました。『Mi:2』の秘密を暴露していいなら登場させましょう」
そんなやり取りがあったので(ほぼ捏造)、きょうは番外編。

きのうの妄想でも触れたが、ウチにデバッグプレステ2が届いた。
これはプレステ2で開発したプログラムをテストするための機材で、見た目は普通のプレステと大差ないのだが、本来なら「PS2」と記されているところに、こちらは「TEST」とある。この写真でお判りいただけるだろうか?

デバステ2

このデバッグプレステといっしょに、『Mi:2』のα版(?)が送られてきた。
とりあえず動かせるものができたので、まずは遊んでくれということらしい。
ユサたちの気遣いに感謝しつつ、プレステをセッティング。ネオジオスティック2を差してさっそくプレイ。

全体的な操作感覚は、前作とほとんど変わっていないように感じた。システムに「さばき」が追加されたので、ボタン配置を少し考えないといけなくなるかもしれないが、基本的には前作と同じ感覚で遊べると思う。相変わらずスタイリッシュアートはつながりやすいし(しかも種類がさらに増えてる!)、必殺技も出しやすい。前作から引き続いて登場するキャラたちには、おおむね新しい必殺技&超必殺技が追加されていた。一部のキャラは、むしろ増やしすぎなのではと思うほどに増えている。

次に、個人的に非常に気になるコスチューム関係。これはテクスチャの貼り替えだけでなく、モデルそのものも細かい部分でかなりいじられているように見えた。
また、前作では、デフォルトの1stモデル&がらりとイメージが変わる2ndモデルのそれぞれに、ノーマル、オルタネート1、オルタネート2という3つのカラーがあり、リギングのオンオフは別として、単純計算で120体分のモデルがあったが、それも今回のコスチューム数の前ではかすんで見える。とにかくコスチュームは多い。ここまですることないだろうといいたくなるくらい、『2』でここまでやってしまったら『3』ではどうしたらいいんだというくらいに多い。
そしてそれぞれがカッコいい。あるいは笑える。ファンならニヤリとするようなものも、かなりヤバいものもある。このへんは、雑誌での紹介や来月オープン予定(だったかな?)の公式サイトでの紹介を楽しみにしておいてもらいたい。
このコスチュームを揃えるだけでも、かなりのやりこみが必要になると思う。もちろん、ミッションモードも健在だし、増えるものもコスチュームやリギングだけではない(というウワサをどこかで聞いたことがある)。

確かに、まだ完成というにはほど遠い状態だ。
オープニングムービーもないし、キャラによってはデモの特定の場所でかならずハングアップするし、まだ必殺技が装備されていないキャラもいる。BGMも前作のものを流用しているところが多く、一部の必殺技にはエフェクトもついていない。

でも、こんな状態でも、触れているとわくわくしてくる。
そういう、とても重要なものがきちんと伝わってくるα版だった。

妄想 2005/10/18
あんたのいうことなんかどうでもいいのよ!

その唐突な叫びに驚くぼく。
ふとかたわらを見ると、ホットカーペットの上で身を丸めていたネムネムが、ごにょごにょと口もとを動かしている。なかなかに豪快な寝言だ。
何かと戦ってたのよ」
目を醒ましたネムネムがそう説明した。彼女が夢の中で何と戦っていたのかは今もって不明だが、かなりの強敵であることに間違いはない。

その後、ぼくはリムリムといっしょに吉祥寺に出かけた。
「あのさー、平日の正午すぎくらいの時間に制服着てうろうろしてる子たちって、あれ何なの?」
もっともな疑問である。実はぼくも、上京してきて以来ずっと同じ疑問をかかえていた。
ぼくが育った栃木のイナカでは、どう考えてもまだ授業が終わっていないような時間帯に制服姿で繁華街なんぞを闊歩しようものなら、すぐさま補導員にしょっぴかれたものだ。
なのに、なぜか東京の平日のお昼には、制服を着た子たちがそこらへんを普通に歩き回っている。ほんの2、3人なら授業を抜け出してきたという可能性もありえるだろうが、見かける制服姿は5人や6人ではない。集団エスケープかと思うくらいにふらふら歩いているのは、あれはいったい何なのか? 都会の中学校や高校には、イナカ者には判らない特殊な教育システムでもあるのか?
「……そういやリムリム、きみ、学校は?」
「ウチの学校、きょうは創立記念日だか何だかでおやすみだもん」
「なるほど」
ホントかどうか判らないが、こうして連れ歩いてしまっている以上、ここはそういうことにしておくしかあるまい。
そうしてぼくとリムリムは、彼女が食べたいというので、「MOS'sC」でハンバーガーを食べて帰った。「MOS'sC」というのはモスバーガーの系列店のひとつで、ファーストフードのつもりで食べに入ると痛い目に会う恐ろしい場所である。
何しろここでは、一番リーズナブルなハンバーガーでさえ850円もするのだ。
「どうして好き嫌いの多い小娘とハンバーガーを食べて3000円も払わねばならないのだ?」
そんな疑問に首をひねりつつ帰宅すると、ほどなくしてウチに何やら大きな荷物が届いた。

差出人は……SNKプレイモア……?

デバステ1

ああっ!? こ、これはもしや――!

デバステ2

で、デバッグプレステだっ!
まさかこれが『Mi:2』の仕事のギャラ代わりだとでもいうのか、SNKよ!?
ソニーから定価で買うと50万円ほどすると聞いたことがあるが、ヤフオクでの中古価格は……10万円!? ゲームマシンとしては破格の値だが、ギャラとしてはまったくワリに合わん!

ということで、これは売らずに、同梱されていたDVDらしきものを再生するのに使おう。
きっといいことがあるに違いない。

現実 2005/10/17
腐女子という単語を目を細めて3メートル離れたところから見てみる。

あっ! 腐女子魔女っ子に見えてきた(ような気がする)!

どうもみなさんこんにちは、嬉野秋彦です。
いや、ぼくの視力についてはともかく、ハリウッドで映画化うんぬんが騒がれている『Halo』と、東尾理子との破局で騒がれたケイン・コスギ絡みでちょこっとだけハリウッド映画として名前の出た『DOA』が、本格的にコラボレートですよ!

『ソウルキャリバー供戮家庭用マシンに移植された時に、プラットフォームごとにリンクだのスポーンだの三島平八だのがゲスト出演したことがあって、ぼくはあの時も「出しゃいいってもんじゃねえだろ」って思ったのですが、何でしょう、世の中の人は、あまり設定とかストーリーとか細かいことは気にしないんでしょうか? 『DOA』の世界観と『Halo』の世界観がクロスする部分なんてありえなさそうなんですが……まあ、あくまでゲストはゲストってことで、無理矢理ストーリーに絡めなきゃいいのかな?

聞くところによると、『DOA4』に参戦するのは、『Halo』の主人公マスターチーフではなく、同じコンバットスーツを装着した女性兵士だそうです。「マスターチーフといっしょに生き残った女性スパルタン」という設定になっているらしいですが、そもそもマスターチーフって、コブナントの襲撃によって全滅したスパルタン部隊の唯一の生き残りって設定じゃなかった? でなきゃこの人、すぐに切れる懐中電灯持ってチーフが白えんどう豆みたいなバケモンと孤独に戦ってた時に、いったいどこで何してたんだよってハナシなんですが、そのへんどうなんでしょう?
どっちにしろ、今はただ中身がコルタナでないことを祈るのみですな。
ちなみにコルタナというのは、マスターチーフをサポートするAIのおねいさんです。

コルタナ

……さすが洋ゲー。
正直、このモデルじゃ初代『DOA』に混じるのもキツいな。ポリゴン数がどうのって以前に、デジタルヴィーナスってツラじゃないでしょ、これ。

まあ、海外サイトのスクリーンショットを見るかぎり、このスパルタン458とかいうキャラ、マスターチーフとほとんど同じデザイン&プロポーションをしてるので、おそらくバイマン+レオンにハンドガンでブン殴るような固有技つけたキャラ*になるんじゃないでしょうか。そもそも『Halo』じゃ、チーフが武器持たずに素手になるって状況がないし。
そう考えると、逆に『DOA』のハヤテが炸薬仕込んだ弓矢持って『Halo』に殴り込むほうがありえそうですね。
弓矢でバンシー撃ち落とすくらい平気でやりそうだし、あの緑川光。



*銃は持っていないが、本当にバイマンとレオンのコンパチキャラだったらしい。

『Mi:2』日記11 2005/10/15
ある種のディラン効果。

頭の中で二階堂紅丸とチョイ・ボンゲが交互に歌っている。
いたぁいほどぉおれぅを〜ちょいとちょいとちょいと♪
iPodのシャッフル機能もなかなか小憎らしいことをしてくれるものである。くそう。

アタマに刷り込まれてしまったモンスター前塚節を脳髄から追い出すために、何かもっと強烈なBGMでもかけて仕事をしようと思っていた矢先、SNKの抹茶ユサから電話がかかってきた。来週、打ち合わせがあるのでぜひ来てくれという。
もちろんそれは一も二もなくOKなので、わずか30秒で業務連絡終わり! となるはずだったのだが、いつの間にか話題が妙な方向へと曲がっていた。
電話口で、アルバがどうのテリーがどうのと、来週の打ち合わせを先取りするようなアツいやり取りを交わすぼくと抹茶ユサ。電話でコレなわけだから、実際の打ち合わせの時にはもっとアツい(一般人お断りな、ともいう)ことを語ってしまうに違いない。
先月のゲームショウ以降、落ち着きを取り戻しつつあった『KOF MAXIMUM IMPACT』関連の話題に、あらたな燃料を投下できるようになるといいのだが。

それはさておき、前回の話はこちら。以下、続き。きょうはささっと。

3日間のゲームショウの終了後、すぐにノイズファクトリーのMさんから、『Mi』関連の資料が送られてきた。各キャラのプロフィールと公式ストーリー、ボイスデータ、などなど……。
確かに資料は少ない。
ボイスデータ以外はほとんどおおやけになっているものばかりだし、こふにはつきものの、キャラクター設定のイラストなどもなかった。各プランナーがああした資料の隅に書き込んでいる走り書きが、意外にそのキャラを端的に表していたりするので、できれば参考にしたいと思ったのだが、それはどうも無理らしい。
なので、とりあえずは目にできるすべての資料をもとに、『Mi』オリジナルのキャラについて、ぼくがゲームをプレイした印象から考察した性格や設定年齢などをまとめて、「こういう人物像でいいでしょうか?」とMさんに打診してみた。
やり取りの結果、ぼくが考えたキャラクター像と、開発スタッフが考えていたキャラクター像には、それほどの乖離はなかった。これをベースにもう少し設定を追加し、キャラの性格や参戦動機などをさらに細かく作り込んでいけば、あとから用意した舞台やストーリーの中にぽんと放り込んでも、こいつはこういう時はこう行動する、こういう時はああする、そういう時はどうしゃべる、というようなことが、おのずと決まってくるものだ。
このへんは、すでにキャラ設定ができ上がっているシリーズものの小説を書き続けていく際の作業に似ている。
いくら『Mi:2』のストーリーをぼくが自由に作っていいといわれても、登場人物が『Mi』の時とまったくの別人になってしまってはいけない。
これは、それを防ぐためにまず必要な作業だった。

つづく。

『Mi:2』日記10 2005/10/13
前回の話はこちら。以下、続き。

これは、あくまでその打ち合わせの時に聞いた話からぼくが推測したことだが、どうやら『MAXIMUM IMPACT』は、こふ10周年に合わせるために開発期間が短かったことや、プロジェクトにかかわるスタッフ数の不足から、ストーリーを細かい部分まで作り込むことができなかったらしい。
そういう忸怩たる思いがあったからか、『Mi:2』ではきちんとしたストーリーを用意したいとH部長はいっていた。
この『Mi』シリーズは、こふという看板を担いではいるが、ナンバーつきの本家の外伝というよりも、それとともにこれからのSNKをささえていくような、独立した一本の柱にしていきたいとのこと。もちろん成績次第という条件つきではあるが、『Mi:2』だけで終わることなく、さらにその後も続けていきたいという。

ファンの中には、安易に続編を出し続けることに抵抗を感じる人もいるが、逆にそれを歓迎する人々がいることも確かだ。でなければ、毎年リリースを続けてきたこふが、ここまでファンから支持されてきたはずがない。
実はぼくも続編大歓迎のタイプで、この時もSNKのみなさんに、『龍虎』の続編は、『餓狼』、『月華』の続編は出ないんですかと、年甲斐もなく食い下がったりしていた(『風雲』についてはその存在を素で失念していた。ごめん)。

「ですから」
と、H部長がかさねていった。
「嬉野さんに全面的にお任せします。新キャラやボスキャラも含めて、ストーリー的なものは全部」
「でも、『Mi』ってすでに主人公が決まってますよね? 周りをかためる『Mi』オリジナルのキャラもいますし……そういうのはこのまま生かしていく方向で、ということですか?」
「はい」
だそうだ。
作業としては、ストーリー的に弱い作品のメインキャラや設定を引き継ぎつつ、続編でのストーリーを盛り上げていくことになる。
ただ、ある意味では怪我の功名といえるのだが、そもそも『Mi』には引きずらなければならないストーリーや設定というものがほぼ皆無で、続編とはいえかなり自由にやらせてもらえそうだということ、そしてプラットフォームがPS2なのでテキスト容量のことは気にしなくてもよさそうということ、この2点は好材料だった。

それに、主人公のふたりもなかなかグッドルッキングなキャラクターである。
炎をいっさい使わず、おまけにふたりセットの双子というのは、これまでのこふの主人公にはないパターンだ。動かして遊ぶキャラクターとしても京やK'とはまったく異質なものになっているし、冷淡そうに見えつつ弟思いの兄+兄貴至上主義の軽〜い弟という組み合わせは、狙っていたのか偶然なのか、いわゆる同人向けにも人気が出そうなキャラのように思えた。
このふたりを中心に、話をどう転がしていけばいいか。

そういうことをいろいろと考えながら、ぼくは京葉線に揺られて帰宅した。
ギャラがどうのということはすっかり失念していた。

つづく。

妄想 2005/10/12
普通に特殊なオタク日記風に。

行方不明だったたいへいたくんが戻ってきて、8ヶ月ぶりに「ウレシノクロニクル」が更新された。この調子で次の更新もまた8ヶ月後などということになったらシャレにならないが、本サイトのまったりすぎる更新ペースにもめげず、こちらはこちらでマメに更新していこうと思っている。
……そういえば、以前はたいへいたくんもこのブログに書き込みをしていたのに、最近はとんと見かけないようになった。あのジジイ乙女は普段どこで何をしているのだろうか?

まあ、それはさておき。
ひさびさに天気がよかったので、歩いて吉祥寺に出てみた。
最近のお出かけのおともはもっぱらiPodである。
以前このブログでも触れたが、ウチのネムネムのiPodには、3ギガぶんほどの洋楽がみっしりと詰め込まれている。ぼくに普通に読めるジャケットがスガシカオくらいしかなかったというほど、西洋かぶれなiPodだ(それを全部ぼくがインポートさせられたわけだが)。
一方ぼくのiPod miniのハードディスク内には、一般人お断りの楽曲しか入っていない。ぼくのiPodに納められているのはすべてゲームミュージック、しかもNEO-GEO関係のものだけだ。今のところ、全部で400曲ほどはある。
それを聞きながら、吉祥寺までの道をてくてくと歩いていく。
ふふふふふ。
まさか今すれ違ったご婦人がたも、まさかこのぼくが、そんなきわめて限定されたマニア向けの音楽を楽しんでいるとは思うまい。これぞ背徳の悦楽

などと馬鹿なことを考えているうちに、いつも紅茶を買っているお店へ。
紅茶、緑茶、黒茶、青茶といろいろあるが、ウチはとにかくお茶の消費量がすごい。特にぼくは、コーヒーはほとんど飲まない代わりに、仕事中でも遊んでいる時でも、いつも何かしらのお茶を飲んでいる。
だからこの店に来ると、いつも何千円分もお茶を買い込む。ぶっちゃけ常連だ。
まだこの時期は秋摘みの紅茶は出回っていないが、代わりにダージリンの2ndフラッシュがいい具合に発酵が進んでいるというので、きょうはそれをもらってきた。
そして今夜のゴハンのおかずを買って帰る。時間に余裕があれば、近くにあるカプコンの直営ゲームセンターでも覗いていきたいところだったが、あまり遅くなると、またリムリムを締め出すことになってしまうので断念した。

ところが、その買い物の途中で、どうにも釈然としない光景に出くわした。
ぼくがとあるスーパーマーケットでレジに並んだところ、すぐ目の前に、某有名中華料理店のTシャツを着た女の子が立っていた。アツアツのお鍋で餃子を出してくれることで有名なお店の、どうやらアルバイトちゃんらしいのだが、レジ待ちをしているその子が買おうとしている商品に何気なく気づいてしまった瞬間、そこから目が離せなくなった。
なぜなら彼女は、業務用の冷凍餃子を手にしていたからだ!
「ちょっ、おま……おまえは何をしようとしている!? その餃子を買ってどうするつもりだ!?」
ぼくは思わずそう尋ねたくなった。
仮にも○○餃子で有名な○○○○○である。いかにノーマルタイプの餃子とはいえ、自分のところの厨房で作るのが当然のはずだ。市販品を使うにしても、せいぜい皮止まりだろう。
だが、そのアルバイトちゃんは、明らかに仕事の最中を抜け出してきたカンジだった。
なら、彼女が買い求めていったたったひと袋の冷凍餃子は、店に帰ったあと、いったい何に使われるのか?
従業員たちのまかないか? それともまさか――?

そんなことをいろいろと考えながら、バスに揺られてぼくは家に帰った。
帰りのBGMは、(ヨガ方面で)今をときめくチバレイのボーカル曲だった。

『Mi:2』日記09 2005/10/11
前回の話はこちら。以下、続き。

前回(2004年)のゲームショウのビジネスデー終了直後、幕張メッセ近くのホテルのロビーで、ぼくはSNKの広報Kさんや開発部のH部長、そして、前作から引き続いて実際の製作を担当するノイズファクトリーのMさんたちと対面し、さっそく打ち合わせに入った。
まずぼくは、ファンとして一ユーザーとして、『KOF MAXIMUM IMPACT』をプレイした感想と、その続編に希望するものを、かなり率直に述べてみた。
ただ、ぼくは実際のゲーム開発にはまるで無知な素人だし、そのぼくが考えるようなことなら、開発のMさんたちも、とっくの昔に承知していたはずだ。
第一、もしぼくが『Mi:2』にかかわることになるとしても、それはゲームのシステム的な部分にではなく、キャラ設定とか演出とか、ストーリー的な部分になる。
だから自然と、話はそちらへシフトしていった。

ちなみにぼくは、『Mi』を自腹で買った一ユーザーである。
こういう流れの場合、普通はKさんあたりがシナリオ依頼の話を打診してきた時点で、「これが『Mi』ですねん。よろしくご検討ください。へっへっへ」とかいって、発売前にウチにソフトを送ってくるのがスジのような気もするが、その様子がまったくなかったので、発売日に自分で買ってきた。
思えばぼくは、あれだけこふだの『サムスピ』だの『月華』だののノベライズをしてきているにもかかわらず、SNKから該当するソフトをもらったという記憶がない。
そういや某カプコンも、『ヴァンパイア』シリーズをノベライズした時には完全にスルーしてくれた。唯一、サンソフトだけが、『わくわく7』のノベライズの時に、サターン版のソフト(拡張ROMつき)をくれたっけ……。

まあ、そんな些細な恨み節はともかくとして、『Mi』のソフトには、これも10周年記念企画の一環なのか、特典DVDなるものが同梱されていた。そこに収録された開発者のみなさんのインタビューなどによると、ストーリー面も含めた『Mi』の製作は、ほぼすべてノイズファクトリーの内部でおこなわれていたような印象を受けた。
ということは、『Mi』オリジナルのキャラたちやストーリーについて一番よく知っているのも、ノイズのみなさんということではないか?
そこでぼくはノイズのMさんに、『Mi』のストーリーについて聞いてみた。
アルバとソワレ、リアンといった『Mi』オリジナルの主要キャラたちのバックボーン、ラスボスのデュークが属していた組織の詳細、あるいは次回作に向けてのストーリー展開など、裏設定としてでもいいから、ゲームや公式サイトで手に入る以上の情報がまず知りたいといってみた。
ところが、そういうものは何もないという。
「え? 何もないんですか?」
「はい」
「裏設定とかも?」
「はい。これといって外に出していない情報はありません。公式サイトとゲーム内のプロフィールに出ているものでほぼすべてです
「それじゃ……続編ではこういうストーリーにしようかとかいうことも……?」
まったく考えていません。本当に人手も時間も足りなくて、そこまで手が回りませんでした」
開発のMさんは申し訳なさそうにそういった。

つづく。

妄想 2005/10/10
怒れる女。

「もうわたし響鬼見ない!」
ウチのネムネムの言である。
どうやら彼女は、30話以降の『響鬼』の方向転換がいたく気に入らないようだ。
スタッフサイドにも事情はあるのだろうが、確かにぼくもそう思う。半年以上かけて描いてきたキャラたちを、ここに来てがらりと変えてしまうのはいかがなものか?
あまり変わっていないように見えるキャラもいるが、たとえばトドロキは、あんなにアタマの悪いキャラだったろうか? 一本気で生真面目でそのくせ不器用ではあるにせよ、あの描かれ方はあまりにバカすぎないか? 仮にも元警官だろうに。
第一、もともとあのふたりの恋愛感情のベクトルは、

トドロキ←日菜佳

だったはずだ。
少なくともぼくの記憶では、たがいに好意をいだいた上で、どちらかといえば日菜佳のほうが積極的にトドロキに電話を入れたりしていたような覚えがあるのだが、それがここ数話で、

トドロキ→日菜佳

になっている。

また、イブキの香須美に対する感情も、あんな普通なアレでいいのか。ふたりでイブキの服を選んでいた時の描かれ方だと、
「イブキは香須美のことが好きなんだろうけどそれをのほほんとはぐらかしていて、むしろ大人の余裕を持っているはずの香須美のほうがイブキを弟のように見ることができなくなりつつあって、でも、香須美はそれが存外に嬉しい」
という感じだったのではないのか。

それに、ヒビキさんが男女間の恋愛感情に鈍感だというのは事実かもしれないが、それにしたところであの描き方では、これまたヒドくアタマが悪そうに――。

「そんなことどうでもいいのよ!」
「まだ何か不満があるのかね?」
「トンキなんかホントに地獄に落ちちゃえ!」

……どうやらネムネムには、ザンキさんがトドロキくんにしゃべらせたあのセリフがことさらショッキングだったらしい。確かにザンキさんは、あんなセリフを吐く(考える)ようなキャラではないと思う。

もちろんトドに罪はない。

『Mi:2』日記08 2005/10/08
前回の話はこちら。以下、続き。今はだいたい1年くらい前のできごとを振り返っているところ。

『KOF MAXIMUM IMPACT』のストーリーを簡単に説明すれば、ギャングのボスがいて、それを恩人の仇と狙う主人公の兄弟がいて、最終的にボスが倒されて終わる。
こう書くとなんだか『餓狼』シリーズみたいだ。
だが、ホントに『Mi』にはこのくらいしかストーリーと呼べるものがないのである。

ボスが倒されて終わりなのは、それはまあいい。
倒されたボスが姿をくらまして「つづく」となるのも、続編を想定した終わり方としてはありだろう。
しかし、その過程がよくない。
そもそも、主人公であるアルバとソワレ、それにリアンあたりはまだしも、それ以外のキャラクターたちがKOFに参戦する動機そのものが希薄で、特に何かの目的を持って参戦しているキャラは皆無に近い。怒チームの面々やセスには、毎度お馴染みの潜入捜査という名目があるが、ほかの連中にはそれもない。
また、ラスボスのデュークがKOFを開催した真意も見えてこないし、そもそもどういう背景を背負ったキャラなのか、所属している巨大組織とはどういうものなのかということすらフォローがなかった。新キャラについても完全に説明不足だ。
OPやスタッフロールのムービーはとてもていねいに作られているのに、幕間のデモもエンディングも、まったくといっていいほどストーリー的なものを語ってくれていない。
以前もこのブログで触れたが、何しろ1試合ごとにこの、

あかはな

ハイエナというチンピラが出てきて、「次の対戦相手は○○です!」としゃべるくらいのデモしかないのである。
アルバ、ソワレ、リアンのデモは、さすがにメインキャラだけあって、もう少しマシなやり取りがあったが、それでも、決して充分なものではなかった。
そして、その淡白さは、説明書や公式サイトに活字として提示されたものも同様だった(ちなみに、この活字によるストーリーがファンに不評だったとのちに知った。ぼくも、「これはちょっと……」と思う)。
このストーリー部分の弱さは、多くのユーザーがネット上で口を揃えて主張していたことだ。ストーリー性が希薄だからこそ想像で自分なりに物語を補完できる、という向きもあるが、やはりこふの名を冠するには、『Mi』はあまりに物語が弱すぎた。

ともあれ、売り上げ的に一応の成功を見たことで、『Mi』の続編は正式に開発されることになった。
対外的には、このTGS2004で続編開発決定のニュースが初めて公表され、同時に新規参戦が決まったキャラとして、ビリー・カーンの動画も紹介された(もっとも、この時発表されたビリー・カーンは、ショウに合わせて急遽作られたもので、TGS2005で公開されたビリーとはまったく別物だった)。
当日、ぼくも会場で初めてそれを目にしたわけだが、すでにこの時、ぼくは、このシリーズのシナリオを作るのはけっこう厄介かもしれないと感じていた。

つづく。

現実 2005/10/07
コーエーの『大航海時代DS』って、『大航海時代 Porto Estado』の移植!?
だったら買うよ! 今度こそインディオの女の子(名前忘れた)でクリアするよ!
それと来月! もう『ぶつ森』発売じゃん! 『おいでよ どうぶつの森』! 日本中のみんな、ウチの「きのきのむら」へ遊びに来てくれよな! っていうか、オレ渾身のうおまさ*のグラフィック見てくれ!

……ハァハァハァ、ああぁ。
ついついエキサイトしちゃった。
どうもみなさんこんにちは、嬉野秋彦です。
携帯機関連の話題といえば、つい先日、こんなやり取りが。

「ネ〜ムネムちゃぁん!」
「は……?」
「いや、ちょっと軽薄にルパン風の呼びかけで入ってみたわけだが」
「それはともかく、何なの?」
「いや、ケータイ貸してもらおうかと思って」
「自分のは?」
「ぼくのauだから。talby」
「は?」
「だから、きみのはdocomoでしょ?」
「そうだけど……」
「ぼく、コレやりたいんだよね。サービス始まったら貸してよ」
「……絶対貸さない」
「ええっ!? そ、そんな!」
「っていうか、それ以前にわたしのケータイ、FOMAじゃないし」
「あああっ!?」

……ユサ日記でも触れられてるけど、ホンキでauにも対応してよ、抹茶ユサ!



*残念ながらDS版にうおまさは登場しなかった。

『Mi:2』日記07 2005/10/05
前回の話はこちら。以下、続き。ますます判る人以外お断り。

2004年はこふが10周年ということで、ゲームショウのSNKブースもそれ一色だった。
10周年記念タイトル第1弾となる『KOF MAXIMUM IMPACT』、第2弾のPS2版『KOF 2003』、第3弾『KOF'94 RE-BOUT』の3本がメインで、すでに発売されていた『Mi』はもちろん、ほかの2タイトルも、すでにプレイアブルなものが出展されていた。会場の幕張メッセ前には、ポリゴン化された京や庵のCGを使ったバナーが誇らしげにひるがえっていた。

そのショウのひと月ほど前、『Mi』はすでに発売されていた。
実際のところ、『Mi』の売り上げは悪くなかったと思う。
どこだかのサイトで見た数字が正しければ、国内分だけで9万本ちょい、あるいは10万本くらいは売れたのではないか。雑誌の売り上げランキングで見た数字も、だいたいこれに近かったはずだ。
こふという金看板を背負っているとはいえ、3D化と新主人公のおかげで、『Mi』はほとんど完全新作に近い。SNKにとって鬼門ともいえるポリゴンものであるということと、有名タイトルの続編以外は売れないといわれる昨今の市場を考えれば、完全新作のコンシューマ対戦格闘でこの数字は、けっこう健闘していると思う(ちなみに本家こふのPS2版は、毎年だいたい4〜5万本くらいの売り上げをキープしている)。

雑誌のレビューには、どうしても広告費というしがらみがついて回るので、その評価をそのまま鵜呑みにはできないが、ネット上でのユーザーの評価は、賛否両論あるものの、おおむねはよかった。
大味だがスピーディで爽快感があるとか、技がつながりやすいので連続技を組み立てるのが面白いとか、レスポンスがよくてストレスがなく遊びやすいとか、女性キャラの胸がこれ見よがしによく揺れるとか。
バグが皆無だったわけではないが、ゲームそのものを崩壊させるほどのものはなく、そのあたりも及第点をつけていいと思う(というようないい方をすると、レビュアーでもないのにおまえ何サマだといわれそうだが)。
3D化されたこふキャラも、個人的にはとても気に入った。お馴染みの1stモデルに、かなりブッ飛んだデザイン+なつかしのSNKキャラをモチーフにした2ndモデルもいい。リギングモデルは好みの分かれるところだが、ミニョンの1stリギングやアテナ、リムの2ndリギングなどは、個人的にとても気に入った。

ただ、システム面でのいくつかの小さな不満に対して、ストーリー面での不満は大きかった。
というか、この作品にはストーリーらしいストーリーがなかった。電話でKさんがいっていたこともうなずける。
これは本当に大きな弱点だった。

つづく。

妄想 2005/10/04
ぎくり。

「ねえ、うれうれ。リムリムって誰?
唐突なリムリムのその問いに、ぼくは軽く噴きそうになった。

当たり前のことをいうようだが、ここではうれうれで通しているぼくの本名は、もちろんうれうれではない(嬉野秋彦でもないが)。
そして、それと同じように、ここでリムリムだのネムネムだのいっている彼女たちの本名も、リムリム&ネムネムではない。そんな名前の日本人がいたら、ぜひお目にかかりたいものである。
そして――ここがわりと重要なのだが――リムリムは、このブログに、自分がリムリムという名前で登場しているということを知らないのだ。

クラスの誰くんのことが好きらしいとか。
急激に目が悪くなってメガネっ娘になったとか。
ネムネムとたびたび壮絶なケンカをするとか。
『KOF』の登場キャラの中ではハイエナが好きだとか。
はたまたムカつくタイミングでちょくちょく風邪をひきやがるとか――。

そんな自分のプライベートなことを、こと細かに全世界へ向けて発信されているということを、リムリムはいまだに知らないのである。
いや、知らないはずだ。ぼくはこの「ウレシノクロニクル」を――特にブログのページを――彼女の前で見たことがないんだから。

にもかかわらず、上記の発言である。
ぼくは内心の動揺をうまい具合に包み隠したまま、リムリムに尋ねた。
「何かね、それは? 中国から新しくパンダでも来るのかな?」
「じゃなくて。……なんかネムネムがね、インターネットでヘンなページ見てて、そこにリムリムがどうのネムネムがどうのって書いてあって、ちょっとデジャヴュな感じのセリフとかがちらっと見えたんだよね」
あのアマ……! どうやら、ネムネムが不用意にリムリムの前で「ウレクロ」を見ていたらしい。ネムネムはぼくのブログでの発言をすべて了承しているから読むのはいいとしても、よりによってリムリムにソーシャルハックされるとは何たることか!

だが、さしあたってこの場をごまかさねばなるまい。
「それはまあ……きっとアレじゃないかな? リムリムというのはきっとリムルルのことだよ」
「リムルル?」
「きみは知らないだろうが、そういうゲームキャラがいてね。おそらくネムネムとはタムタムのことに違いない。どちらもきみの大好きなハイエナと同じ、SNKのキャラなんだが」
「別にわたし、ハイエナ好きじゃないんだけど」
「いや、それはともかく、リムルルとタムタムだね、それは。うん」
「でもさあ、何だか聞き覚えのある会話とかが――」
「ええい! つまらんことをいっていないでさっさと寝たまえ!」
病み上がりだということを理由に、その場はそこで強引に話を打ち切ったぼくだったが、その時のリムリムの様子を見ていると、まだ納得していないみたいだった。

うむう……。
本格的にリムリムにバレる前に、このブログの書き込みをすべて消去して、代わりにリムルルとタムタムの二次創作小説でもアップしておくべきだろうか?

『Mi:2』日記06 2005/10/02
前回の話はこちら。以下、続き。

その日――Kさんからの電話を受けたのは7月の末だった。
だが、『KOF MAXIMUM IMPACT』の発売日は8月12日である。よくよく考えてみれば、発売を半月後に控えたソフトのシナリオを、今から修正できるとは思えない。
そのへんを疑問に思って、ぼくはおずおずと尋ねてみた。
「あの……Kさん、『Mi』の発売って、来月ですよね?」
「ええ」
「シナリオって……ソレのシナリオですか?」
「いえ、続編のほうのです」
「は?」
驚いたことに、Kさんがぼくのところに持ち込んできたのは、まだ発売していないソフトの続編の仕事だったのだ。
「そ、その……まだ第1弾も発売されてないのに、もう第2弾の発売が決定してるんですか、『Mi』?」
「正式にじゃありませんけど、ま、出したいなぁと。……何しろこのゲーム、シナリオ面がめっちゃ弱いんですわ〜」
Kさんが困ったようにいうのを聞いて、ぼくはさらに困った。

もし『Mi』の売り上げが悪かったら、もちろん続編は出ないということになる。そうなれば、今ここでわざわざ大阪に行っても、すべてが無駄になってしまう。
なんだか肩すかしを食らった気がしたが、ともあれ、ぼくはそこでひとつの妥協案を提示した。
「だったら9月でどうです?」
「9月ですか?」
「仕事を引き受けるかどうか、ぼくも実際に『Mi』で遊んでから決めたいし、9月ならある程度売り上げも読めて、正式に続編が行けるかどうか決まってるでしょ?」
「ですねえ」
「今年のゲームショウ、ぼくビジネスデーに行くつもりなんで、その時にどうですか?」
「ああ、だったらウチも、その日に開発の人間とか連れて行けますんで、そらいいかもしれませんねえ。どうせなら顔合わせていろいろ話したほうがいいでしょうし」
「じゃ、そういうことにしましょう」
いつもゲームショウの入場券の手配をしてくれるファミ通文庫編集部に感謝しつつ、ぼくは電話を切った。

実際、この仕事を引き受けるかどうかはまだ判らなかった。『Mi』の成績のこともあるし、シナリオ面をどこまでぼくに任せてもらえるかという点も問題だ。
前述の某こふの時は――特に1本目は――シナリオとクレジットされていながら、ぼくに話を考える自由はまったくあたえられていなかった。あんな客寄せにもならないパンダみたいな思いをするのはもうごめんだ。
それに、生臭いハナシだが、作業に見合うギャラが確保してもらえるのかどうかも気になる。
ぼくはSNKの社員じゃないわけだから、開発中、ずっとそのゲームの製作に拘束されるわけではないが、やるとしたら最初から最後まで可能なかぎりかかわりたいと思っているし、そうなれば、作業量的にもかなりのものになるだろう。前に受けた仕事の時は、費用対効果の面でちょっと納得がいかなかった。
だから、今度の話も、かならず引き受けられる仕事だとはかぎらない。

そう判っていながら、気づくとぼくは、旧SNK関連のムックを読み返し始めていた。
やる気だけはすでに「ぎゅい〜ん!」だった。

つづく。

妄想 2005/10/01
おお、吉祥寺で『セブンソード』がやっている!

思えばツイ・ハークの映画を最後に映画館で観たのはいつだったか。
ヘタをすると、『恋する天使』か『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー 小倩』か、さもなければ『ダブルチーム』あたりだから、もう7、8年は観ていない。最後に見たのがジャン・クロード・バンダム+デニス・ロッドマン×ミッキー・ローク÷虎ってどういうことだ?
杉並に越してきてからは映画を観る機会そのものが減ってしまって、阿藤快ばりに「何だかなー」といいたいところなので、横着してビデオが出てから、などといわずにひさしぶりに映画館に足を運ぶのもよいかもしれない。

と、ここでたいへいたくんの代わりに新刊情報。
まずはファミ通文庫、『恋する未来 紅矢くんのストレンジデイズ3』。

紅矢くん3

こちらはシリーズ完結編。イラストの現津先生が、実は○○○の『○狼伝○2』あたりの製作にかかわっていたと知ってプチびっくり。

そしてお次はコバルト文庫、『シャイニングウィザード 覚醒空間』。

シャイニング6

『ハルマゲドンバスターズ』から続くシリーズもついに最終章へ突入。

それにしても、たいへいたくんはいったいどこへ行ったのだろう?